海外遺言書
アメリカ在住で、日本とアメリカに資産があります。
現在アメリカで、遺言書作成した検討中です。この英語の公式遺言書は、日本でも翻訳書をつけて使用できますか?
Nickname1さん ( 東京都 / 男性 / 52歳 ) | 2013/02/09 07:52
翻訳者に特別な資格は必要ありません
お世話になっております。
契約書や戸籍謄本等の公文書を中心に、英訳、和訳の翻訳業務を行っております。
自身の経験も踏まえ、下記の通り回答いたします。
まず結論としまして、和文翻訳書を付けての使用は可能かと存じます。
以下、根拠についてご説明します。
現在アメリカ在住とのことですので、米国法に基づき英語で遺言書を作成されたとします。
日本には、「遺言の方式の準拠法に関する法律」という法律があり、その第2条において、下記の方式で作成された遺言書は有効である旨定められています。
一 行為地法
二 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法
三 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した地の法
(以下略)
質問者様は三に該当するかと存じます。
したがって、その英文遺言書が、例えば自筆遺言の場合「全文、日付及び氏名の自書」、及び「押印」といった法的要件を満たしていれば、有効ということになります。
ただし、自筆の場合、日本においては「家庭裁判所の検認」という手続きが要求されます。
裁判所では日本語の使用が要求される(裁判所法74条参照)ので、ここで和文翻訳の提示が必要になります。
和文翻訳ですが、翻訳者に特別な資格が要求されるわけではないし、そもそもそういった資格は存在しません(民間での任意資格はありますが)。
通常、翻訳文書のフッターか、独立した1枚の紙面に、「私は高度な英語力を持っており、その英語力を以て当該文書を真正かつ適切に和訳したことをここに照明します」といった翻訳証明を付加します。
私の場合、1枚ものの翻訳証明書を用意しており、翻訳文書と一緒に綴じこんで割印を押す形で対応しています。
これまで多くの公文書を翻訳してきましたが、翻訳文書や翻訳照明について特段何かを言われたことはありませんし、問題なく各依頼者様の必要手続きに活用して頂いています。
遺言書の和訳も随時対応が可能ですので、宜しければどうぞお気軽にお問い合わせください。
以上、ご参考いただければ幸いです。
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サニー行政書士事務所 代表 岡村陽介
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http://honyaku.sunnygyosei.com/(リーガル翻訳)
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遺言書の法的要件に合えば可能です
はじめまして。
遺言書の種類はご存知かもしれませんが、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。それぞれ民法により詳細が決められています。
アメリカでの公式遺言書というものについて知識がありませんので、回答としては片手落ちとなってしまいますが、日本で有効な方法をお話したいと思います。
自筆証書遺言は、全文を自書すること、記入した日付を明記すること、押印することとなっております。(民法968条)この際に、言語が必ずしも日本語を要求しておりませんので、自分で書いた英文のままでも可能です。訳文があれば開いた相続人が日本語しかわからない場合にも親切かと思います。当然訳文も自筆です。ワープロやタイプライター文字ではいけません。あくまでも自筆です。実際遺言を執行する際には家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
公正証書遺言は、2人の証人を必要としますが、公証人が遺言者の口述を筆記し清書したものです。そのため、自筆証書と違い裁判所の検認は必要としません。費用と手間がかかりますが、一番安心安全な遺言書といえます。
秘密証書遺言はあまりお勧めできませんが、本人だけがそっと作成したものです。あまり安心できないと思います。
ご質問者の場合、帰国し証人を二人見つけ、公証人役場まで足を運ぶことが困難であれば
自筆証書遺言に頼るしかないと思います。英文での公式遺言が出来上がっているのであれば、3つの条件(自書・日付・押印)をしっかり確認すれば、遺言として成立します。
押印は必ずしも実印に限りません。いわゆる三文判(朱肉をつける印鑑が良い、俗にいうシャチハタ印は避けたほうが良い)でも可能です。
評価・お礼
Nickname1さん (2013/02/18 21:30)
とても親切、わかりやすい説明、ありがとうございました。
お返事が遅くなり大変申し訳ありませんでした。