特別受益について

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  1. 遺産相続
  2. 生前贈与

お世話になります。
以前に相談経験がありますが、親と同居の親族が、親に無断で数千万円引き出し、半分を自分の生命保険加入に使い、残りの一部を自分の贅沢(海外旅行やブランド品購入)に使った挙句に亡くなりました。
保険金は受取人に指定された、亡くなった親族の実子が受け取っています。
親はまだ生存しており、判明した無断横領金の返還を求めていますが、相続人となった、この実子(親からすれば孫)は応じません。

将来、親が亡くなった場合、この孫は、代襲相続人となってしまいます。相続廃除はなかなか認められないとのことで、何か対処方法がないか必死で考えています。
亡くなった親族が引き出して保険加入、費消、あるいは現在でも一部隠匿している数千万円を「特別受益」とし、代襲相続者である孫に、遺留分放棄を要求したいのですが、妥当であるか、また応じない場合、他に良い方法(これ以上お金を渡さない方法)があれば、教えてください。
よろしくお願いします。

相続と特別受益

(4.0) | 2011/10/06 18:56

複雑な状況ですね。


親御さんが法的手段にでない、つまり不当利得返還請求とか不法行為に基づく返還請求をしない場合、親御さんの死亡後に特別受益の主張をするのは非常に難しいと思います。

まず、親御さんがなにも法的措置をとらないということは追認していると考えられますね。そのときに、親御さんがなくなった後、保険金を受け取った実子に特別受益があるのか?という点が論点になりますね。

特別受益とは、特定の相続人が、被相続人から婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として生前贈与や遺贈を受けているときの利益のことです。

実子の方が相続人になりますが、この方は単に生命保険を受けとっただけで、亡くなった被相続人から生前贈与を受けたわけではないですね。仮に追認によって生前贈与があったといえる場合、それは同居の親族に対してになるので、実子への特別受益といえるのかが問題です。そこで、検討してみます。

被代襲者は、生前贈与等を得た時点では、推定相続人で、代襲者はその被代襲者の地位を代襲して取得することからすると、被代襲者以上の相続による利益を取得することはできないので、同居の親族の特別受益は、実子の特別受益といってよいでしょう。

しかし、その時点で、亡くなった親御さんとその親族の間になにがあったのか当事者が死亡していて立証が極めて難しくなっていますね。貴殿にて、勝手に使ったお金は特別利益があったと立証するのはかなり難しいと思われます。

なお、遺留分放棄を要求するとおっしゃっていますがこれは無理で、遺留分はあるかないかが問題なのです。
特別利益は、判例では、原則として無条件に遺留分算定の基礎となるので、特別受益分があるために、遺留分が侵害されていない結果になることはありますが、それはそもそも権利がないから行使できないだけで、放棄させられるということではないのです。

まとめると、やはり証拠がきちんとあるときに。当事者である親御さんが自ら不正をだたすべきでしょう。
親御さんがご自身の判断でその法的措置をとらないのなら、その後で相続人にて現実の訴訟において立証していくのは本当に困難という気がします。最も、立証の手段が明らかにあって保全できるのであれば、不可能ではないかもしれないですね。

評価・お礼

tiinatuさん (2011/10/06 20:31)

ご回答ありがとうございます。
説明不足でしたが、原告が親で、この亡くなった親族の実子(孫)に損害賠償請求の訴訟中です。
無断で貯金を横領した証拠、カードでの買い物などの記録、すべてそろっています。
しかし、残りを不明金などとし、ごくわずかな金額で和解しようとしているので、条件として遺留分放棄を求められないものか、と思案していました。訴訟中につき、具体的な内容での相談を躊躇しました。

松野 絵里子 松野 絵里子 (2011/10/18 22:38)

すでに訴訟中というご状況でしたか。

和解というのはあくまでも相手がこれなら和解するという案にすぎません。
損害賠償の請求に必要な証拠は出せるというのであれば、判決までがんばればよいのです。
相手は単に払わされるだけの立場ですから自分にとってかなり有利な条件でしか和解はしない可能性が高いとは思います。
もっともある程度裁判所の心証が形成された上での和解案について検討しているのであれば、それは判決でもそれとそれほど違いない結論になる可能性もあります。

訴訟において代理人がついておられるならきちんと説明を受けて今後の対応を考えられるとよいでしょう。

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