飯田 裕
イイダ ユタカとりあえずメタル冠にしておいたほうが歯の損失は少なくて済む?
心と体・医療健康 一般歯科・歯の治療 2016/07/26 02:29【質問】
メタルクラウンとハイブリッドCAD/CAM冠のどちらにするか悩んでいるのですが、
あとでハイブリッドに治療しなおすにしても、とりあえずメタルクラウンにしておくという治療のやり方のほうが自然歯の損失は少ないのでしょうか?
あとで再びハイブリッドに治療しなおしたとしても、最初からハイブリッドにしたときと比べて、歯の損失は変わらなくて済むのでしょうか?(ハイブリッドのほうが自然歯の損失が大きいらしいので)
【経緯】
過去虫歯治療をしたメタルレジンがされた上5番の歯が虫歯になりました。
歯のかみ合わせの面でメタルインレーと自然歯の間に虫歯ができたようでメタルをとって虫歯を削りました。
すると次の処置の予告として、今度はメタルの大きさがクラウンみたいな感じになるといわれました。
わたくしは歯がきれいな方ではありませんが、
口を開いたときに簡単に見える5番の歯がメタルの銀の色が丸丸見えてしまうのは抵抗があります。
そこで保険適用に最近なったというハイブリッドCAD/CAM冠だとメタルの銀の見栄えの悪さから回避できるので
年月で多少色が違ってもそちらのほうがいいのでは?と誘惑につられています。(先生からハイブリッドへの言及はありません)
私の歯の状況としては
・該当の歯の虫歯はまぁまぁ深いところまできてたらしいですが、神経は残す感じでクラウンをかぶせるそうです
・どの程度の丈の長さのクラウンをつけるか聞いていない。(完全に歯茎までの丈の長さのクラウンじゃなくてもハイブリッドは可能なのでしょうか?)
・歯の噛み合わせの力が強く、先生の話によると口の中全体を見渡すとそこかしこで小さく歯がかけているらしい(5番といえどもハイブリッド強度に不安が大きい?)
・次クラウンにする歯の横の6番の歯が欠損している。
・男40歳です
専門家の方は、この私のケースでハイブリッドCADにする選択肢はどのように評価されますか?
いまのところ治療にあたって私が重点を置いているポイントは、
1.自然歯をできるだけ多く残したい (ハイブリッドは論外?)
2.保険の適用範囲で
ということです。
状況をすべてお伝えすることができませんが、この状況だと今の先生の言うように
銀のメタルクラウンに"とりあえず"しておいたほうがベターでしょうか?
ue5crownさん ( 兵庫県 / 男性 / 43歳 )
金属の修復物は歯質の削る量が少なくて済みます。
一般的に金属の被せ物は強度に優れ、薄く作っても割れたり欠けたりすることがほとんどないため、歯を削る量は最小限で済みます。
歯科技工士がハンドメイドで作製するプラスチックの被せ物(HJC)やハイブリットセラミック、セラミックなどでは、割れにくくするために一定の厚みを確保しなければならず、土台となる中身の歯を少し低く、小さめに削る必要があります。
CAD/CAMの場合は機械が歯の形を計測してセラミックの塊から削り出して作製するため、角や直線がないコンピューターが読み取りやすい形で、しかもはまり込みやすい形に仕上げる必要性があるために、さらに削る量が多くなります。
従って見た目よりも「自然歯をできるだけ多く残したい…」というご要望であれば、金属冠を選択すべきでしょう。
但し、治療後に「やっぱり見た目や色調が気になるから…」という理由では、すぐに保険内で「金属⇒CAD/CAM」などのやり代えはできませんのでご注意ください。
本来、”健康保険”による”保険診療”というものは怪我や病気に対する治療をカバーするものですから、医学的に問題がないケースで「見た目の問題」や美容的な治療は対象外なのです。また、保険診療のシステム上、二重に同じ歯の治療を行っていることになり、公的機関の審査が通りません。
さらに申し上げれば、一度装着した被せ物は容易には外せないため、切り込みを入れたり、削ったりしてから、圧を加えて外すことになります。何度も治療を繰り返すことにより、より完璧になっていくわけではなく、徐々に歯が痛んで耐久性が低下することも考えられます。それぞれの材質のメリット・デメリットをご理解いただいた上で、慎重に選んでいただきたく思う次第です。
茨城のインプラント専門歯科(歯科・口腔外科)/つくばオーラルケアクリニック
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