齋藤 進一(建築家)- Q&A回答「車椅子でのライフスタイル」 - 専門家プロファイル

齋藤 進一
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を

齋藤 進一

サイトウ シンイチ
( 埼玉県 / 建築家 )
やすらぎ介護福祉設計 代表
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車イスの娘と戸建て

住宅・不動産 住宅設計・構造 2016/08/22 17:05

障害のある娘は20才、全てにおいて介助が必要で、全く歩けません。外では車イス(手押し型)を使用しています。
現在の居宅は狭いマンションで、カーペット上でゴロゴロ過ごし、座位は取れるので食事は床に座って食べ、夜間は布団で寝ています。入浴は抱えて入っています。この度、家を建てることになりましたが、娘の体重も40キロ近くあり、介助が大変になってきたので、生活を見直し、介護しやすい家を作りたいと思っています。リビングのフロアで寝返りしたり座ったりしながら自由に過ごしてほしいのですが、フロアから抱きかかえるのが辛いです。リビングで快適に過ごせ、介助も苦にならないような方法があればご教示ください。リビングのある1階の床面積は44平米という狭い空間です。

とびこさん ( 東京都 / 女性 / 44歳 )

車椅子でのライフスタイル

2016/08/23 02:04
( 5 .0)

車椅子を使用したADLは移乗のしやすさから洋式(ベッドやイスの高さを基準)にするケースが多いですが、自由に這い歩きできる和式(床上で布団使用を基準)を好まれる方も多いですね。
和式での生活スタイルに慣れておられるということで、新築住宅でもベッドではなく布団を使うことを前提に床仕上げを決められた方が良いですね。

今まではカーペット上で生活されてたということですが、床に座位でご家族の皆さんと食事されることを考えると、畳仕上げがお勧めです。

最近は車椅子走行可能の畳もありますし、フロアから車椅子への移乗は「座席昇降手動車いす」(画像はニッシンさんのトライメイトNカタログより)などを利用され住宅自体には大掛かりな仕掛けは設置しないほうがスペースを考えると良いのではないでしょうか。

座席昇降手動車いすの使い方はお世話になっているOT/PTさんにご相談して、リハビリ時に移乗の練習ができると介助者はだいぶ楽になります。

全介助の中で入浴と排泄が人手が必要になりますが、若い女性は外部サービスの利用を拒まれる方が多いので、介助者を含めた排泄・入浴動作を確認し、動線やスペースの広さ、住宅設備機器の選択をすべきだと思います。

また、福祉住環境としてお嬢様中心の仕様になりがちですが、ご家族全員も使いやすい仕様にすることが毎日の生活を送るうえでストレスを減らすポイントになります。

既に建築に向け設計を依頼されている状態でしたら、お嬢様の症状が進行性か否かで仕様が変わりますし、今後のご家族のライフスタイルも加味したゾーニングが叶えられるといいですね。

簡単ですがご参考になれば幸いです。

評価・お礼

とびこ さん

2016/08/23 15:23

ご丁寧な回答ありがとうございます。
座席昇降手動車いすは画期的ですね。このようなタイプの車いすなら、玄関で移乗すれば室内での移動・介助が楽になりますね。担当のPTさんに相談して、検討してみようと思います。
畳も進化しているのですね。リビングの一部に、畳の小上がりを作るのもありかな、と考えていましたが、床に畳スペースを作れば、娘も今まで通りストレスなく生活できそうです。ただ、今後のことを考えると、更衣や排泄介助は床よりはある程度高さがある方が楽かもしれないと思ったりしています。
浴室や脱衣場は広ければ良いと考えていましたが、動線も大事ですね。
娘の介護のことばかり考えていましたが、家族全員の住みやすさも考えながら造っていきたいと思います。沢山のアドバイスをありがとうございました。

斉藤 進一

2016/08/23 16:19

早々のご評価ありがとうございました。
今まで慣れてきたADLが新築によって新たなADLに変わってしまうと毎日がストレスになりますので、PTさんの意見も取り入れながら今まで通りの動作ができるようになるといいですね。

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