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小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ
(
東京都 / 経営コンサルタント
)
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褒めることの難しさ(余談)
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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集
現場の事例・私の体験
2007-09-17 00:00
ある会社で新人研修を担当した社内講師が、新人に対して少し厳しい指導をしたところ、「僕たちは今まで褒められて伸ばされてきた。そういう指導は慣れていないから、萎縮して成長が止まってしまうかもしれないので、少しやり方を変えて欲しい」と言われたそうです。指導する者からすれば受け止めはいろいろでしょうが、素直には受け入れづらい言葉でしょう。でも実話としてこういう話があり、当人は本当にそう思っているわけで、今の企業の現場ではこの人たちも否定せずに指導し、戦力にしていかなければならないのが実情なのです。
こういう発言が出る背景は、とても複雑であると思います。全体的な傾向や社会的背景も、個人のキャラクターもあるでしょう。つい“今時の若い者は・・・”と言いたくなりますが、一括りにすることはあまり適切でないと思います。
私がこの件で思ったことですが、
○自分に都合のいいことだけ主張する。(褒めると甘やかすを混同)
本人が嫌なことを我慢できないということ、そうしてしまった親、教師、社会的風潮を含め、周りの大人に原因があると思います。
○自分の内面に踏み込まれたくないための予防線。
やはり煩わしい人間関係を避けたい、という傾向があるようです。こういう人はそもそも煩わしいほど人付き合いをしたこともないと思いますが。
○厳しくされることに本当に慣れていない。
社会的な関わりに消極的で未熟であるということ、経験値が少ないゆえに打たれ弱いということです。自主性を強調し過ぎてイヤイヤでも経験してみる機会を失っているように思います。
このような基本的な人間力は、大人になって教育してもなかなか変えられません。前提となる人間力がない者を褒めることで果たして育っていくのか、褒める事が大事とわかっていても、本当にそれで良いのかと考えてしまうような一件でした。
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