小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「ときどき出会う「困った応募者」は、結局自分が損をしている」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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ときどき出会う「困った応募者」は、結局自分が損をしている

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2018-03-06 08:00

 企業の人材採用を担当していると、いろいろな人が応募してきます。最近のような人手不足の環境であれば、応募して頂けるだけでも大変有難いことですが、ときどき扱いに困る応募者に遭遇することがあります。

 

 単純に求人要件に合わないのであれば、それは普通にお断りをするだけですから、これについて困ることはありません。問題はそれ以外の理由で、応募自体を受け付けることが難しいような人です。

 

 私の経験で最も印象にあるのは、数年前に出社拒否のような状況で会社を辞めて行った人が、人材紹介会社を通じて自社に応募してきたことです。

 会社は経営統合などで社名も変わっていたので、本人は気づいていなかったようですが、ホームページなどを少し調べればわかることなので、たぶんそういうこともせずに応募したのでしょう。

 

 さらに経歴書上では、私たちの会社に在籍していた期間が違っています。ただの勘違いにしてはズレが大きく、途中に空白期間があったか、別の転職先があったか、いずれにしても本人にとって何か不利になることがあったのでしょう。

 

 人材紹介会社が間に入っていたので、不採用理由はきちんと伝えなければなりませんから、過去に在籍していた人材だということ、本人はそのことに気づいていない様子だということ、書類上の在籍期間が違っているということを伝えてお断りしました。他人の人生の裏側を見てしまったような気がして、何とも言えない気持ちになった記憶があります。

 

 こんなことはめったにありませんが、困った応募者で意外によく遭遇するのは、“直近の不採用者の再応募”です。もし通年で採用をしていたとしても、求人広告などを切れ目なく掲載し続けるということは、予算の問題もあってほとんどなく、期間を区切って何度も広告を出し直す形になりますが、その広告を出し直すたびに、いつも同じように応募してくる人がいました。しかもそういう人が同時に複数いることもありました。新卒でも、一度不採用にした人が、知らないうちに説明会に再エントリーしていたようなこともありました。

 

 不採用理由というのは、応募者にお伝えできることが少ないのでやむを得ない面はありますが、会社としては相応の採用基準を持っていますから、何度も受ければいつか合格するというものではありません。可能性があるとすれば、しばらく経験を積んで、経歴書に書かれる内容が変わったような場合だけです。

 

 にもかかわらず、期間を置かずに再応募するというのは、少なくとも可能性があると思っている訳で、正直言って私はその感覚があまり理解できません。

 さらにこういう人は、応募書類が明らかに使いまわしで汚いなど、そもそもの印象が良くないことも多かったです。自分の行動態度が相手からどう見られるのかということに、少し鈍感な感じがします。

 

 就職活動というのは、お互いの相性を確認するお見合いの要素が強くあります。相性の中には、知識、経験、性格、その他多くのものが含まれます。相手との駆け引きをするゲームではありません。こういう本質を理解していれば、続けて何度も再応募するという発想にはならないはずです。

 

会社から「困った応募者」に見えてしまうと、結局自分が損をしてしまいます。

 

 

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