小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「部下の研修を邪魔する上司」の話」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
Q&A回答への評価:
4.7/75件
サービス:4件
Q&A:193件
コラム:842件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

「部下の研修を邪魔する上司」の話

- good

社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2018-02-20 08:00

 内容や形式はいろいろだと思いますが、何らかの社内研修を実施する会社は多いと思います。


 社内研修の企画というのは、どんなに事情が分かった人でも、実は結構難しいところがあります。会社として研修したいテーマがあっても、それが対象者すべての興味に合致するとは限らず、どうしても無理矢理受けさせる“強制”という部分が出てきます。


 最近は、キャリア意識が高まってきていることもあり、どんな内容の社内研修であってもわりと肯定的に捉え、積極的に取り組む人が増えてきましたが、それでも全員が高い意識を持って研修に臨むことは、残念ながらありません。これは“強制”という要素がある限りは仕方がないことです。


 興味がないことを無理やり学ばせても、それが効果的でないのは当然ですから、研修企画をする中では、できるだけ多くの人が興味を持って受講できるテーマや内容を考えたり、いくつかの選択肢で選べるようにしたり、環境作りのために、研修に送り出す側の上司とコミュニケーションを取ったり、様々な工夫をします。


 先日ある会社の役員の方と話している中で、「上司が部下の研修を邪魔する」という話がありました。

 本来であれば、上司には研修の事前事後に、どんな内容だったのかを話題にしてもらったり、持ち帰った内容を活用できる場を作ってもらったりというフォローをしてもらうことが、研修を行う側にとっては一番有り難いことです。そこまでではなくても、普通に気持ちよく送り出してくれればよいのですが、一部に「そんな研修はムダだ」「受けても意味がない」「業務では役に立たない」などと言って、部下の意欲を萎えさせるような上司が実際にいるのだそうです。


 聞いた様子からすると、そういう上司の態度には、どうも二つの原因がありそうです。

 一つは上司自身が自己啓発や研修の場を好まず、誰でもそういうものだと思っている場合、もう一つは、自分が知らない知識やスキルを、部下だけが学ぶことに対する嫉妬のような感情がある場合です。

 どちらも共通しているのは、上司自身に学びの姿勢がないということです。


 お話をうかがったこの会社では、「上司にも部下の研修を邪魔させない教育が必要だ」などとおっしゃっていました。

 「部下にこんな研修をする」というさわり程度の内容をレクチャーし、嫉妬を薄めたりプライドを汚さないようにしたり、できれば自分でも学ぼうという興味を持ってもらったりということも、社内研修を実施する上での前さばき、環境作りとして必要だということでした。


 社内研修に対する文句や意見というのは、あまり学ぶ姿勢がない人の方が強く主張するところがあります。それが上司であったりすると、その扱いには意外に困ります。


 社内研修で効果を得ようと工夫をしても、一筋縄ではいかないことがいろいろあります。



カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。

料金
6,000円

「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)

【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える
プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム