小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「面接して初めてわかった適性テスト結果の矛盾」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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面接して初めてわかった適性テスト結果の矛盾

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2016-09-06 08:00

 新卒採用を行う中であったエピソードです。

 

 ある応募学生の適性テストが、ちょっと不思議な結果でした。基本的な素養が総じて高い人でしたが、唯一「積極性」という項目の点数が、あまり見たことがないくらい低い点数でした。

 

 一般的な例であれば、そういうタイプの人は、「積極性」とつながりが深い、「行動力」や「活動性」といった指標も比例して低いことが多いのですが、この人についてはそんな関連性がまったくありません。一見すれば、矛盾しているように思えてしまう結果です。

 

 テスト結果だけからすると、次の選考には進めない可能性もありましたが、とにかく話だけは聞いてみようと、面接にお呼びすることにしました。

 

 実際にお会いしてお話をうかがうと、ハキハキしていて受け答えも的確で、なかなか優秀な印象の方です。しばらくお話したところで、ストレートに適性テストの結果のことを聞いてみました。

 すると一瞬、「ああやっぱり・・・」という表情をして、そこでお話してくれたのは、「初めの一歩が苦手」ということでした。

 

 どういうことかというと、例えば全面委任で「何かやれ」と言われたり、自分でまったく経験のないようなことがいきなり降ってきたりするような状況だと、初めはものすごく躊躇して、動きが取れなくなってしまうのだそうです。

 ただ、それに対して自分でいろいろ調べたり、人に聞いたりして、どうすれば良いかが自分なりに整理できてくると、その後はどんどん自分から行動していくことができるのだそうです。

 

 適性テスト結果で矛盾しているように見えたことが、お話を聞くとまさにテスト結果の通りで、「なるほど!」と納得してしまいました。その方とは最終的にはご縁がありませんでしたが、選考する立場としてはとても勉強になった出来事でした。

 

 新卒採用の中では、ともすれば適性テスト結果や応募書類を見ただけで、自分の過去の経験に基づいて、その人物をわかった気になってしまう採用担当者がいます。

 企業側の時間的な制約から、書類選考という形も取らざるを得ないので、多少はやむを得ない部分がありますが、どんなに経験豊富な人であっても、会わなければわからないことは確実にあります。

 

 良い人材に出会いたければ、やはり「できる限り直接会って話す」ということが、あらためて大事なことだと感じた一件でした。


 

 

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