小笠原 隆夫
オガサワラ タカオできることしかできない
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東日本大震災から今日で二年。
犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様には深くお悔やみを申し上げます。
いろいろな方からうかがう中では、まだまだ復興が全然進んでいないという話、また少しずつは元に戻っているという話、その他いろいろなお話をうかがいます。今も定期的にボランティアに通う人、自分の生活再建に向けて頑張っている人、直接間接で様々な支援をしている人など、いろいろな方がいらっしゃいます。こういう方々には本当に頭が下がります。
私自身でいえば、少々の義援金を出したり、ちょっとした署名に協力したりという程度で、現地を見たこともボランティアに参加したこともないので、とても積極的に行動して支援しているとはいえません。気持ちはあってもなかなかそこまで行動できていないというのが実際のところです。
自分の行動する量を増やさなければならないと思う反面、私と同じような人も多いのではないかと思います。
こんな時によく思うのは、人間は「できることしかできない」ということです。
以前、サッカーの日本代表監督だったジーコさんが、「所属チームでやっている以上のことは要求しない」という主旨のことをおっしゃっていたのを聞いたことがあります。要は「できないことは要求しないしやらなくて良い。逆にできることは確実にやれ」ということなので、厳しい要求ともいえます。
企業などでいうと、「できること」と「できる“はず”のこと」が混同されていることが、多いように思います。
「できる“はず”のこと」ができないといって、能力不足、使えないヤツというような話になっていたりしますが、そういう人にも「できること」は必ずあって、それを確実にやらせる方が、「できないこと」をやらせようとして何も進まないより、組織にとっては絶対プラスになります。
もちろん「できないこと」をできるようにするために、本人の努力も周りからの指導も大事ですが、できるようになるには時間がかかります。また時間をかけても、それに比例してできるようになるかはわかりません。
「できる“はず”のこと」というのは、だいたい入社X年目、経験X年、XX等級ならばできて当然というような意識から来ますが、やっぱり個人差があります。プロ野球選手だって足が遅い人はいるし、サッカー選手でも利き足でしか蹴れない人もいます。できないことを嘆いたり批判したりするよりは、その時点で持っている能力を現実の中でいかに使うかを考えた方が、よっぽど建設的です。
「できることしかできない」というのは、「できることをいかに確実にやるか(やらせるか)」の裏返しです。
私の被災地支援は、まず今できる事は確実にやり、可能ならばできる事を増やしたいと思っています。
これは仕事でも趣味でも勉強でも同じで、ある時点で区切ってみれば、人間は「できることしかできない」と思います。
「なんでできないんだ?」ではなく、「何ができるんだろうか?」を考えることの方が大事ではないでしょうか。
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