ＮＩＳＡ（少額非課税投資制度）が始まってもうすぐ5年になります。

5年前から始めておられる方は、ＮＩＳＡ口座での運用を継続するか、特定口座に移し替えるか、売却するかの判断を迫られます。 特に困るのは、10月の株価急落などの理由で、投資している商品が元本割れした時です。1か月もしない間に元本が１０％以上減ってしまうと、投資に慣れていない方は不安でたまらないかもしれません。

では、5年間ＮＩＳＡ口座で運用して損失が出た場合、どうしたらよいでしょうか。

ＮＩＳＡ口座で引き続き運用する場合

　将来値上がり益が出たとしても税金かかかりません。その代わり、損を出して売却しても、他の値上がり益が出たものと差し引きすることはできません。引き続き運用する金額が少ない方、いつもＮＩＳＡ口座非課税枠が多く余ってしまう方に向いています。

特定口座に移し替えて運用する場合

　移し替えた時（来年1月初め）の価格よりも低い価格で売却した場合、他の商品の値上がり益と差し引きできます。その代わり、移し替えた時の価格よりも売却した時の価格が高ければ、ＮＩＳＡ口座で購入した時の価格より低くても、税金がかかります。来年分のＮＩＳＡ口座非課税枠で積極的に新規投資をしたい方に向いています。　 例）ＮＩＳＡ口座にて10000円で購入、移し替えた時の価格8000円、売却価格9000円の時は、売却価格－移し替えた時の価格＝1000円に税金がかかります。

5年経たずに売却した場合

　売却した後は損失が大きくなることはありません。その代わり、将来の値上がり益も期待できなくなります。世の中が不安定に感じる時、余裕資金があまりない時は売却も一つの方法です。

ＮＩＳＡ口座で投資をしても損切りをした方が良いのは、例えば、

・他の商品や銘柄へ投資をした方が、より多く値上がり益などを見込める。

・価格変動が大きいなど、自分の気持ちに合わない。

・（株式の場合）業績の下方修正を繰り返す。情報開示に不信感がある。

といった時です。

節税になるかどうかよりも、投資する商品に将来性があるか、ご自身の性格に合っているかどうかで判断したほうがよいでしょう。ご心配な方は、一度弊社に相談してみませんか。