高原 誠(税理士)- コラム「贈与登記について」 - 専門家プロファイル

高原 誠
不動産鑑定士と協働。不動産に強い相続専門の税理士です。

高原 誠

タカハラ マコト
( 東京都 / 税理士 )
フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定 税理士
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贈与登記について

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相続税・贈与税の基礎知識 2012-09-25 12:27

皆さんこんにちは。

前回から「相続と登記」について、3回に分けお話ししております。

第2回目の今回は、「贈与登記」についてです。


「贈与登記」についてお話しする前に、まずは「贈与」とはどういうものなのかをご理解いただきたいと思います。


1.「贈与」とは

「贈与」とは、「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」(民法549条)行為のことです。

つまり、不動産(土地・家屋)等を相手方に無償であげる旨の意思表示をして、それを相手方が合意した場合に成立する契約です。

口頭でも贈与契約は成立しますが、書面によらない贈与は、履行の終わらない限り、各当事者が取り消すことができることになっています(民法550条)ので、通常は「贈与契約書」を作成したうえで贈与を実行することになります。


2.それでは、「贈与登記」とは

不動産の場合には契約だけでは第三者に対する対抗要件を満たしておりませんので、不必要な混乱を避けるためにも、第三者に所有権を侵害されないためにも、登記を行うことが必要となります。

つまり「不動産」(土地・家屋)を「贈与」した場合には、当該贈与によって不動産の所有権が移転しますので、贈与者(あげる人)から受贈者(もらう人)へ名義変更の登記(所有権移転登記)を行う必要があります。


3.贈与登記の期限は?

贈与税の申告期限は、「贈与した年の翌年の2月1日~3月15日まで」と決められていますが、贈与による所有権移転登記の期限は、相続登記の場合と同様、特に期間制限はありません。ただし、不要な混乱を避け、取引の安全を確保する観点からも可及的かつ速やかに贈与登記を行うのが望ましいと言えます。


4.贈与登記の必要書類(一般)

1)「贈与契約書」(これに基づき登記原因証明情報を作成します)

2)「権利証」又は「登記識別情報通知」

3)贈与者の「印鑑証明書」

4)受贈者の「住民票」

5)「固定資産税評価証明書」

6)「委任状」(司法書士の先生に御依頼される場合)


5.登録免許税

固定資産税評価額の20/1000(2%)です。

固定資産税評価額1000万円の場合→ 登録免許税:20万円


6.概算費用

つまり、贈与登記にかかる費用は、

(司法書士手数料+)登録免許税+実費(全部事項証明書、郵送代、交通費等)

となります。


今回は「贈与登記」の基礎的な事項を取り上げてみました。

「贈与契約」だけで「所有権移転登記」が完了していなければ、相手方に財産が渡されたとは見なされませんので、相続の生前対策などで贈与を実行する場合には注意が必要です。


最終回となる次回は、「相続と登記」に関して、具体例を挙げながら、もう少し掘り下げた話をしたいと思います。

どうぞお楽しみに。

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