2017年7月のソニー銀行金利と今後の見通し
-
銀行の中では数少ない、翌月の適用金利を今月に発表しているソニー銀行ですが、7月は短期固定が上昇、長期固定が低下しました。
まず変動金利ですが、これは日銀が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続していることや、日本の短期金融市場が安定しているため横ばいとなりました。変動金利の横ばいは、7月の他行の金利でも同様だと思います。
なお、ソニー銀行は返済額を5年間一定としその一定の金額の範囲内で、元本、利息の定期的な見直しを行う「5年ルール」や、5年後に返済額を見直す際に前回返済額の125%を上限とする「125%ルール」の不採用により、適用利率が急激に上昇した局面においては返済額が大幅に増える可能性があります。
ソニー銀行や新生銀行の変動金利を選択する際は、上記の仕組みの適用がないことをよく理解しておくことが大切です。
一方の固定金利ですが、中心となる固定10年は前月比0.004%低下の0.857%、20年超の最長期間は前月比0.056%低下の1.3480%となっています。(新規で自己資金が10%以上の場合)
ソニー銀行の資金調達時期にあたる、5月下旬から6月上旬にかけては長期金利は横ばいでしたが、さらに長い金利は低下したことが要因と考えられます。
今後の見通しですが、変動金利は横ばいとして、長期固定金利の指標となる長期金利は上昇しやすい展開となりそうです。
米では13~14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、政策金利を0.25%引き上げ0.75%から1.00%にしました。引き上げは今年3月に続いて2度目で、市場では9月か12月にも0.25%の引き上げが行われるのではないかと予想されています。
日本では15~16日まで、日銀の金融政策決定会合が行われていますが、金融政策の現状維持が有力と見られています。
現在の長期金利は、予想通り0.05%を挟んで揉み合いとなっていますが、米と日本の長期金利には相関関係があること、日米金利差拡大から円安・株高・債券安(金利上昇)となりやすいことから、長期金利は0.05~0.10%程度で推移する見込みです。
もっとも長期金利が0.10%に接近すると、日銀が国債買い入れオペを強化すると見込まれることから、上値も限定的となりそうです。
以上を総合的に勘案しますと、長期金利は先月よりも上昇圏内で推移し、それに連動する7月の他行の長期固定金利も多少上昇する可能性が高いと考えています。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
※このコラムの無断転載・引用はご遠慮願います
ブログメディア「BLOGOS」、「マネーの達人」
そこに参加させて頂いている、私のブログも是非ご訪問下さいませ。
「相談業務」のコラム
2023年4月のソニー銀行金利と今後の見通し(2023/03/16 07:03)
2023年3月のフラット35(2023/03/01 12:03)
2023年3月の住宅ローン金利と今後の見通し(2023/03/01 07:03)
2023年3月のソニー銀行金利と今後の見通し(2023/02/16 07:02)
2023年2月のフラット35(2023/02/01 12:02)