2017年5月の住宅ローン金利と今後の見通し
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まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。4月26~27日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも原則的な金融政策は据え置かれたため、現在は金利を引き上げる環境にはありません。
日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは基本的に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、4月27日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では物価上昇率を17年度は+1.4%、18年度は+1.7%、19年度は+1.9%となっており、19年度の大勢予測の幅も+0.8%~+1.9%と大きく、2%の物価上昇率の達成に対して委員の間でも意見が割れていることが伺えます。(1月時点に比べ17年度は−0.1%の下方修正、18年度は横ばい、19年度は今回初めて公表)
次に長期固定金利です。5月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.03%低下の1.63%となっています。指標となる4月の長期金利が、低下したことが要因と考えられます。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利の指標となる長期金利は、低位安定の展開となりそうです。
今月7日に行われる仏大統領の決選投票で、マクロン氏とルペン氏のどちらが勝利するのか、最初のリスク要因はこの問題です。
親EU派のマクロン氏が勝利すればEU体制は維持されるものと考えられますが、EU離脱派のルペン氏が勝利した場合、英国のEU離脱と合わせEU崩壊のシナリオが現実味を帯びてきます。
市場はマクロン氏勝利であれば円安・株高・債券安(金利上昇)、ルペン氏勝利であれば円高・株安・債券高(金利低下)に動くものと考えられ、金利にも影響を与える見込みです。
また、北朝鮮問題も地政学的リスクとして意識され続け、状況が悪化した場合は円高・株安・債券高(金利低下)となる見込みです。
これらの流れを総合的に勘案しますと、長期金利は現在のレンジ内で低下余地を探りながら小動きを続ける見込みで、それに連動する長期固定金利も、現在の低水準で推移する可能性が高いと考えています。なお、フラット35の金利は月初の第1営業日にあたる、1日正午に発表の予定です。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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