吉野 真人(医師)- Q&A回答「盗難は犯罪です・不安要因把握し支援+糖質制限など食生活改善を」 - 専門家プロファイル

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娘が家のお金を盗みます

心と体・医療健康 心の不安・性格改善 2017/01/27 21:22

相談です。娘中学3年が、2年ほど前から主人に財布や、家のお金が入っている引きだしからお金を盗んでいえうようです。最初は気のせいかと思い、本人にも聞いたりしましたが、違う、知らないの一点張り。証拠もないので追求しなかったのですが、決定的だったのが、鍵を閉めていた引き出しにお金を入れ、鍵は私が持ち歩いていたので安心していたんです。が、あるひどこかにあった合鍵を発見し、鍵がささったまま引き出しが開いてました。その時はもう現金をおいてなかったのですが、毎回こうやってここから、お金を抜いてたのでは。と思います。といっても完璧な証拠もないのに問い詰めても、親子関係が悪くなるだけだからやめた方がいいと、私が相談した精神科で言われ、問い詰めないようにしています。
ただ、困ったことが起こり、どうやら息子の部屋のお金を入れていたところからも持っていってたようで、これまた証拠はないのですが。息子が怒り出し、隠しカメラで撮ると言い出しています。もし証拠がはっきりした場合、本人に見せて徹底的に追求したらいいでしょうか。息子には、こんな娘のことをどう伝えたらいいですか?

たしかに、娘の部屋にある物が増えてたりというのがあったので聞いても、お年玉が残ってたので買ったといいlます。また部屋に同じものがいくつもあり、まさかどこかでとったりしている!?というのも不安です。
また、先生の回答を見て思ったんですが、感情の起伏が激しく、物への執着も激しい気がします。食べ物についても、やはりすごく偏りがあります。野菜を嫌がり残す、お菓子などを買い込んで、ベッドで寝ながら食べあさってることもしばしば。少し前は炭酸飲料も、すぐ買ってきてました。
悩みはいろいろなんですが、今娘の行動を落ちつかせるために、親ができること、すべきことを教えていただけたらと思います。また、お金を取られたと怒っている息子に対して、どう接していくのがいいか教えてください。よろしくお願いします。

ぴろりんりんさん ( 兵庫県 / 女性 / 48歳 )

吉野 真人 専門家

吉野 真人
医師(精神科)

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盗難は犯罪です・不安要因把握し支援+糖質制限など食生活改善を

2017/02/16 17:13

娘さんが自宅に保管している現金をこっそり持ち出しているのではないか、と疑念を持ち、その証拠が出始めたところで、娘さんを諫めるかどうかの葛藤に悩んでおられる模様です。確かに厳しくし過ぎれば親子関係が悪化しかねず、さりとて放置すれば現金の持ち出しがエスカレートし、盗難を含む犯罪への道を開く事にもつながります。人間関係を維持しつつ、犯罪の芽を摘むための工夫が求められます。
先ず認識したいのは、お金や物を盗む行為が、たとえ家庭内であっても立派な「犯罪」である点です。この認識を疎かにし、多少の現金の持ち出しを黙認する事を続ければ、娘さんは「お金を盗っても大丈夫、許される」などという間違った学習をしてしまいます。そしてそれは悪しき「快感」ともなり、嵩じれば家庭外の学校や商店、公共施設、他の住宅などに於ける本格的な盗難癖に発展してしまう可能性も否定できません。

また他の家族、とりわけ兄弟の方への悪影響も多大です。文面からはお兄さんか弟さんかはっきりしませんが、いずれ同年代の方だとすれば、教育的な意味合いからも、正しい対応が求められます。もしも現金の持ち出しが許されるという観念を持たれてしまっては、最悪の場合「盗まれても許されるのならば、自分も盗んでしまおう」などと、やはり誤った学習をしてしまう危険が多分にあります。
かといって明白な証拠がないのに、一方的に「犯人」だと決めつけるのも考え物ですし、仮に決定的な証拠が揃っている場合であっても、厳しく問い詰めることには慎重であるべきです。娘さん本人への話し方、接し方一つで正直に話すこともあり得ますし、反対に開き直ってウソをつき通す、あるいは正直に話したとしても心を閉ざしてしまって反抗的な態度に出る、など良くない展開となることもあり得ます。

娘さんに「本当の事実」を話してもらい、なおかつ心を開いてもらうには、どのように接すればよいのでしょうか。それを考えるに当たっては、何故「お金を盗む」という行為に走ってしまったのか、その背景を推論することが大切です。お金を盗むことは悪しき快感につながる、と上述しましたが、裏を返せば、そういう「病的な快感」を求めざるを得ない程に、心理的なトラブルが発生している可能性があるのです。
従って娘さんに対しては、家の引き出しなどから現金を盗むのはたとえ家族であっても犯罪に相当する行為である事を正直に伝えた上で、何かストレスや不満、不安となっている事がないか、じっくりと聞き出すことが大切です。また親や兄弟など家族が娘さんを支えているという事実も、具体的に伝えることが望まれます。当初は正直に話さないかも知れませんが、ストレスが緩和すれば反省し、行動を改める可能性が高くなります。

ところでお話の後半にある「感情の起伏が激しく・・食べ物の偏りがあり・・」という一連の記述がとても気になります。何故ならば、そのような感情の大きな変調や食生活の乱れという傾向は、ストレス耐性の低下や不安感の増大、体調の不良と大いに関係し、ひいては感情のバランスを維持するための代償的な「盗難癖」に結びついている可能性があるためです。
つまり菓子類や炭酸飲料などの過剰摂取により糖質依存となり、野菜不足も加わってビタミンB群欠乏に陥ります。そのような一連の栄養バランス破綻が嵩じると、不安感や感情の不安定性、ストレス耐性の低下を招き、様々なメンタル不調や神経症、うつ症状、それに慢性疲労や自律神経失調など心身の不調を引き起こしやすくなります。それがひいては盗難癖を含む「依存症」の遠因の一つとなり得るのです。

従って感情のバランスや体調全般を回復させる意味からも、さらには盗難を繰り返すといった悪循環の連鎖を断ち切る意味からも、食生活の抜本的な改善には是非とも取り組みたいものです。逆に言うと、食生活の改善とそれによる栄養バランス回復が得られれば、気分の安定や体調の改善をもたらすと同時に、それを背景とした盗難癖などの依存症傾向を克服することが出来るかも知れないのです。
他の事例を引き合いに出しますと、ある高校の男子生徒が成績不振から校内暴力、不登校に至り、担任の教師が心配して自宅を訪問したところ、生徒の部屋から甘い炭酸飲料の空ビンが何十本も見つかり、親も教師もビックリしたそうです。毎日数本から十数本も飲んでいたといい、食事も不規則だった模様です。そこで炭酸飲料を一切中止し、食事もしっかり食べるようにしたところ、急速に回復し復学できたそうです。

この端的な事例にもみられるように、糖質の過剰摂取は血糖値の乱高下を招いて心身の不安定性を引き起こし、野菜不足など偏食も加わるとビタミンB群やビタミンC、亜鉛やカルシウムなどミネラル、そしてタンパク質など重要な栄養素の欠乏を招きます。気分の安定を維持する物質の一つにセロトニンがありますが、タンパク質やビタミンB群などが欠乏すると、そのセロトニンが不足し神経が不安定になってしまうのです。
それでは具体的に、どのような食事の工夫をしていけば良いのでしょうか。詳しくは私が書いた他のQ&Aおよびコラム等を参照して頂くとして、ごく簡単にいうと、野菜や果物、豆類、海藻類、きのこ類などをたっぷりと食べ、肉や魚などのタンパク源も適度に摂取し、ご飯やパンなどの炭水化物を控えめにし、お菓子や炭酸飲料などの糖質をできるだけ避ける、という事が大切です。

参考までに、具体的な治療法として有効と思われるものを幾つか簡単に説明します。

1・栄養療法
症状および血液検査の結果に基づき、不足しているビタミンやミネラルなどの栄養素を積極的に補給します。食事の改善および良質なサプリメント摂取が基本的な方法です。

2・漢方薬
症状および体質に合わせた漢方薬を内服します。お話の症状に照らせば、柴朴湯や黄連解毒湯あたりが狙い目です。

3・プラセンタ注射
ヒト胎盤エキスの注射です。1本2㎖のため、ごく短時間で注射できます。慢性の疲労、うつ症状、頭痛、生理痛、肌荒れ、不眠など、多くの症状に効果が期待できます。

4・ラドン温浴(低放射線ホルミシス療法)
ラドンガスの充満した暖かい小部屋で40分ほど横になり、ラドンガスをたっぷり吸入します。ラドンガスは免疫力、代謝、解毒力を飛躍的に向上させ、ガンや感染症、神経疾患、各種アレルギー、肌のトラブル、慢性疲労など多くの疾患、体調不良に効果を発揮します。

5・点滴療法
ビタミンB群やビタミンC、抗酸化成分などを20分前後かけて点滴します。マイヤーズカクテル、アルファリポ酸などが代表で、最大の特徴はその「即効性」です。

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蒲田よしのクリニック(内科)
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