吉野 真人(医師)- コラム「金採掘でリウマチが治った・・アルプス山中の保養地にラドンの奇跡が!?」 - 専門家プロファイル

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ヨシノ マサト
( 東京都 / 医師 )
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金採掘でリウマチが治った・・アルプス山中の保養地にラドンの奇跡が!?

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2013-06-11 13:35

(続き)・・昨日10日朝のラジオで、早くも「サクランボ」に関する話題が放送されていました。山形県や山梨県、福島県などの主力産地で、いよいよ収穫が始まったというのです。まだスーパーなどには国産のサクランボは少ないのですが、早生のハウスものの収穫が始まった模様です。

サクランボは、輸入物と国産物とで価格差がたいへん大きいという特徴があります。山形産の一級品の「佐藤錦」などは、一箱あたり数千円から2万円くらいの高値がつきます。それでも箱に綺麗に並べられた佐藤錦の艶々した姿を眺めると、年に1回くらいは何とか財布をはたいてでも食べたい、などと思うものです。

 

私が大学時代以来20数年を過ごした山形県では、6月下旬にサクランボの収穫のヤマ場を迎えます。梅雨の真っ最中ではありますが、大型の観光バスを連ねて大勢の「サクランボ狩り」のお客さんが全国から集まります。しかし集まるのは観光客ばかりではありません。実は多くの「サクランボ泥棒」も山形に集結するのです。

収穫が始まると毎年のように「佐藤錦が何者かによって盗難」などというニュースが流れ、「またやられた・・」と暗い気分になってしまいます。多くの場合、まだ暗い未明か早朝のうちに狙われるようです。軸のもぎ方の高等なテクニックなどからは、かなり手慣れた玄人筋による犯行が多いと言われています。

 

山形県に於けるサクランボの主力産地は県中央部の寒河江市と東根市で、この2市が圧倒的な市場シェアを誇ります。およそ10年前、私が寒河江市の病院に勤めていた時の話ですが、サクランボ収穫期も終わりに近づいた7月半ばに、外来を訪れた高齢の男性がいきなり診察室で吐血し、真っ赤な吐物が私めがけて飛んできました。

緊急の胃カメラ検査で胃潰瘍と診断され、数日後に退院しましたが、この男性はサクランボ農家で、収穫期のハードな作業のため「身も心もボロボロだ・・」と嘆いていました。昼は収穫、夜は箱詰めと出荷作業、朝は泥棒の監視と、毎日3時間睡眠で休む暇もなかったそうです。1か月以上に及ぶハードな毎日で、ストレス性の胃潰瘍を患ったのでしょう。サクランボの栽培と収穫は、それほどまでに「命がけ」の仕事なのです。

 

 

さて前回のコラムでは、秋田県の玉川温泉にはガンや難病の患者を中心に多くの方々が湯治に訪れ、優れた効能を示す人が少なくないというお話をしました。病院の治療で良くならない、あるいは病院から見放されたような人も含めて、驚くような効果を得ている人が多いのです。

玉川温泉に行くと分かりますが、お湯の張った通常の「温泉」の他に、野外の岩盤浴である「ラドン温浴」というものがあります。温泉も前述のようにかなりの個性派ですが、真の玉川温泉らしさを味わえて、玉川温泉ならではの臨床的効能を得られるのは、どちらかというとラドン温浴の方です。

 

温泉のある建物から外に出ると、ゴザを持参して行き来する大勢の方々とすれ違います。彼らについて行くと、岩肌の露出した地面にゴザを敷き、数えきれないほどの人たちが思い思いに横たわっています。地面は全体的に温かく、場所によってはかなり熱くなっています。またあちこちから蒸気が噴き出ていて、危険な場所は立ち入り禁止となっています。

所々に木造で簡易な作りの小屋があり、十何人かがゴザを敷いて横になれるようになっています。屋内なので雨風をしのげるため、身体の弱った方でも安心です。ただそれだけに人気があり、たいていの小屋では順番待ちの列ができています。私が訪れた時も30分ほど待たされました。

小屋の中で横になっていると、ゴザを通して岩盤の熱気が体の芯まで伝わってきます。私が訪れたのはそれほど暑い季節ではありませんでしたが、あっという間に体中から汗が噴き出てきました。それほど強い温熱効果があるのです。40分ほど横になった後は、何とも言えない体の軽さ、すがすがしさを感じたものです。

 

玉川温泉の岩盤は「ラジウム」が豊富で、ラジウムからは「ラドン」というガス状の物質が常時、放出されています。これらは一種の放射性物質で、強力なアルファ線を放出して様々な健康上の効能をもたらします。玉川温泉のパワーの源泉は「北投石」ですが、これが存在するのは世界中で台湾の北投温泉と日本の玉川温泉に限られており、日本では特別天然記念物に指定され採掘が禁止されています。

玉川温泉と同類の温泉の一つとして、鳥取県の「三朝温泉」があります。三朝温泉も玉川と同じくラジウムやラドンが豊富で、ガンやリウマチなど多くの難病患者が押し寄せています。ここには岡山大学の附属病院分院があり、ラドン療法に関する研究と臨床活動を行なっています。

ただラジウム温泉は意外と少なく、国内では十か所に届きません。玉川と三朝以外では、北海道の長万部近くにある二股ラヂウム温泉、山梨県の増冨温泉が特に有名です。

 

国外に目を転じると、オーストリアはザルツブルクから車で約1時間のアルプス山中にある「バドガシュタイン」は、洞窟状のラドン治療施設として有名です。もともと古代ローマ時代から続く温泉保養地でしたが、50年以上前に金採掘のために坑道を掘っていたところ、一人の坑夫の持病であるリウマチがたちどころに良くなってしまったというエピソードがありました。

その後も坑道に入ると病気が改善するという現象が相次ぎ、地元のインスブルック大学などが調査した結果、このような健康上の変化が坑道内に充満しているラドンガスによるものであることが判明しました。そのような経過を経てバドガシュタインは世界的なラドン療法のメッカとなったのです。

 

今やバドガシュタインには世界中から難病の方々が集まっています。適応症としては慢性関節リウマチ、多発性関節炎、線維筋痛症、骨粗鬆症、神経痛、末梢神経障害、スポーツ外傷、気管支喘息、その他多くの病気や怪我などが含まれます。

 

そしてバドガシュタインの特徴の一つとして、病院が併設され医師が常駐し、ラドン療法に健康保険が適応されるということが挙げられます・・(続く)

 

蒲田よしのクリニック(内科)
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