森本 直人(ファイナンシャルプランナー)- コラム「個人型確定拠出年金はなぜ普及が進まないか」 - 専門家プロファイル

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( 東京都 / ファイナンシャルプランナー )
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個人型確定拠出年金はなぜ普及が進まないか

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くらしを守るマネー管理術 FP森本直人は、こう考える 2016-09-20 16:34

16日、個人型確定拠出年金の愛称が
「iDeCo(イデコ)」に決まりました。

確定拠出を意味する英語の一部と、私を意味する「i」を組み合わせた名称とのこと。

少し覚えにくい、との声も聞かれますが、何もないよりは、一歩前進です。

もっとも、個人型確定拠出年金の普及が進まないのは、
ネーミングだけの問題か、という話もあります。

普及が進まないのは、個別に案内をする人が少ないことも大きな要因です。

金融業界の人々は、この制度にあまり触れたがりません。

というのも、例えば、保険営業の中でこの制度に言及してしまうと、
月々1万、2万といった予算がそちらにとられてしまい、
売りたい商品の販売につながらなくなる可能性があるからです。

ちなみに、個人型確定拠出年金は、有料相談を実施している
個人のFP事務所(独立系FP事務所)などでは普通に案内されています。

とはいえ、FP事務所の存在そのものが、あまり知られていません。

個別に案内できる人の存在を知ってもらうことも、普及のカギになると思います。


・もうひとつの理由

この制度の普及が進まないのは、根幹となる「長期分散投資」の考え方が
一般に浸透していないことも、要因のひとつです。

例えば、テレビのニュースで、国の年金積立金の運用損が報じられますが、
その中で「長期分散投資」の考え方まで触れられることは少ないです。

「長期分散投資」は、短期的な価格変動に一喜一憂せず、
あくまで長期的な計画の中で成果を目指す運用方法なので、
一時的な評価損が出るのも必然的なことです。

もちろん、国の年金運用のありかたがこれでよいのかという議論はありますが、
議論の前提に「長期分散投資」の知識がないと、話がかみ合いません。

また、投資リスクはとるべきでない、損したらどうするのか、
などの意見も日本では根強いです。

ただ、注意した方がよいのは、インフレという落とし穴です。

国の借金が1千兆円を超え、このまま増え続けるとするなら、
出口は、インフレ、増税、年金削減のいずれか、もしくは、その全てです。

嫌でも将来、リスクに向き合うことになるなら、
出来る対策は今から打っておいた方がよいのではないでしょうか。

日本にも、戦費調達のための国債乱発でハイパーインフレに至った歴史があります。

すべて円預金や国債で持つことが絶対に安全とは言いきれません。


・普及は来年から?

大手企業などでは、退職金の準備として、企業型の確定拠出年金の導入が進んでおり、
確定拠出年金そのものの加入者は増えています。

一方で、個人型の確定拠出年金は、これまで主に個人事業主などが対象でしたが、
来年1月からは、専業主婦、公務員の方も加入できるようになります。

今後は、基本的に国民全員が加入できる年金制度になるわけです。

確定拠出年金は、原則60歳まで資金の引出しが出来ないデメリットを許容できれば、
節税効果を得ながら、インフレ対応型の運用もできるお得な制度です。

知って得する、年金制度。

ご存知でなかった方は、一度詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

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