大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- Q&A回答「「英語を使う仕事」という思い込み」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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英語の資格と仕事について

スキル・資格 英語 2013/06/12 02:07

31歳男です。将来英語を使った仕事に携わっていきたいと考えていますが、未経験でも資格を所得すれば採用して頂けるものなのでしょうか?
またTOEICやIELTSにするとスコアをどの位取れば良いのでしょうか?
またどのような仕事がありますか?

英文科大卒で英語学校にも通いましたが、試験が苦手で取らずにいました。最近になり腹を括り、資格所得のため勉強し始めています。

接客業と事務職の経験はあります。

芸術系(デザインなど)にも携わりたいので出来ればそれと両立した仕事を将来的には目指しています。

あまきださん ( 山梨県 / 男性 / 31歳 )

「英語を使う仕事」という思い込み

2013/06/12 21:41

今日は。 日本で非常に多く聞くご質問内容ですね。
他にも興味のある方が多くいらっしゃると思い、回答させていただきます。

「英語を使う仕事」という思い込みを排除してみて下さい。 「英語を使うのが目的の仕事」とは一体どんな仕事でしょうか? そんな仕事は恐らく存在していないと思います。

プロフェッショナルとして、能力、スキルを使う仕事の「道具としての英語」なら、現在の世界規模経済の中で職を得るためには必須です。

じゃぁ、翻訳家や通訳は? 「英語を使う仕事」では?

いえいえ、翻訳、通訳の仕事にしても、「英語を使う仕事」ではなく、それぞれの翻訳内容、通訳内容の専門分野の知識がかなり必要です。 それなしに、ただ単にTOEICのためだけにフレーズや単語を暗記した結果の点数など役に立ちません。 

ましてや、他の職業では、まず自分の専門知識、能力、そしてそれを基にした確固とした「売り物」になるスキルが絶対必要条件です。 英語力は、プラスの資格どころか、当たり前の前提条件なのが現状です。

実例を挙げてみましょうね。

例えば、私は長年カナダのバンクーバーと日本とを結ぶ仕事をしています。
仕事のパートナーはカナダ人なので、普段のコミュニケーションの道具は英語です。

私の専門分野である「音声学」「脳心理学」「発達心理学」などの知識、その知識と経験に裏付けされたスキルを使い、新しいプロジェクトを開発し実践します。
そのプロジェクトを数学的、論理的に進めて行くのが、「数学」「経済」を専門とするパートナーの仕事です。

それぞれの考えをCritical Thinking を使いどんどん議論して進めて行きます。

そのプロジェクト実践段階では、多くの人が必要になります。 日本、カナダ両サイドで様々なスキルを持った人たちと仕事をします。 その際の言語は、常に2ヶ国語です。 

カナダサイドとはもちろん英語。 教育関連の人、音楽関連の人、企業家の人など様々ですので、かなり臨機応変な英語文化に即した英語力、特に議論するスキルが必要です。

補足

日本サイドとは、私とのコミュニケーションは日本語が主ですが、カナダ人パートナーと打ち合わせをするためには、英語が必須です。 パートナーは日本語が普通に出来ますが、日本語はビジネスには向いていない言語だからです。 日本語の話は、抽象的、曖昧で時間がかかります。 具体的、論理的、科学的なコミュニケーションは英語の方がはるかに簡単です。

実は現在、東京方面でパートナーシップを結べる人材を探しています。 新しいプロジェクトで、カナダのhomeschooling parents (子どもを学校に通わせずに自宅で教育する親たちのネットワーク)と、東京方面に居住しカナダのhomeschooling に興味のある日本の人たちとの橋渡しを手伝える人材です。 

仕事が出来るかどうか見極めるのに、TOEICの点数など、まったく参考になりません。

必要な能力、スキルは: 
1)日本とカナダの親たちをつなぐことにおいて、自分で問題を見つけ出し、創造的革新的な問題解決が出来る人
2)homeschoolingについて、世界のあらゆる情報をreal time で把握出来る人(情報は英語です)
3)私とカナダ人パートナーにない専門知識を持っている人。
4)そして、上記3点を日本語、英語の両方で運用出来る人。

私のやっているような小規模のビジネスでもこのような人材が必要なのが、今の超スピードの世界の流れです。

そこで、アドバイス:

1)英語だけの、しかも、日本でしか通用しないようなテストTOEIC の点数より、まずは自分の専門知識と、それを基にしたスキルを大いに高める勉強を続けて下さい。
2)英語を一度は専攻なさったのでしたら、ぜひcoursera に挑戦して下さい。 
https://www.coursera.org/
世界の一流大学、一流教授の授業(もちろん英語ですよ)をFreeオンラインで受講できます。その中で自分の専門分野を扱ったコースをまず選び、本気で取り組むことですね。
Statement of Accomplishment (修了証書)が出るまで2~3コース頑張ったら、今後の英語への取り組み方をよく理解出来るようになること確実です。

そのStatement of Accomplishment は、TOEIC などの点数よりはるかに明確にあなたの能力を提示出来る武器になりますから。 

Good Luck

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