大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
Critical Thinking の重要なステップ - # 6
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世界の標準の思考法、英語圏の教育が目的とする科学的論理的思考法。
Critical Thinking Step 6 (Don't oversimplify.) 複雑な要素が絡み合う人間の行動を「良い/悪い」のどちらかで決めてしまうこと。
日本ではまったく学校教育の中に取り入れられていないCritical Thinking
重要な8つのステップ を順番に紹介します。
(注意: ただし、この順番を知ったからと言って、急に理解出来るものではないですよ。 長年の訓練が必要です。)
Step 6 : Don't oversimplify.
(複雑な要素が絡み合う人間の行動を「良い/悪い」のような2者択一で決めてしまうこと。
ひとつのふたつの実例を、まるでそれが世の中のルールのように決めつけ、残り全員にあてはめてしまうことを Oversimplificationといいます。
Critical Thinker は絶対これをやりません。
何にでも「こうすれば絶対大丈夫」「これは絶対してはいけない」という答えがあれば生きていくのは簡単かも知れませんね。
マニュアルがあるわけですから。
このような考え方を Oversimplification と呼び、論理的思考法の大きなタブーです。
(Critical Thinking の能力なしで英語圏の大学に行こうとする日本人が脱落する大きな原因でもあります。)
周りの人たちがやっているように従うと正しいかも。
それもわからなかったら、とにかく誰かに答えを出してもらいそれに従う。
英語で "go with the flow" と言います。
日本に蔓延する兆候です。
All About に寄せられる質問質問などもよく観察してみてください。
例:「まだ日本語を上手に話せない幼児に英語の学習をさせることは、日本語を習得するにあたり、害はないのでしょうか?」
幼児と一言で片づけるほど人間の脳は一律ではありませんね。 遺伝子も異なれば、環境も違います。
日本語が話せる話せないにも個別の発達過程があるはずです。
英語の学習法にしても、方法が多すぎます。
質問もOversimplification ですが、回答の中には、一人や二人くらい、わずかの実例を基に「問題ない」と結論づけているものが見られます。
Critical Thinking ではありませんね。
数例を幼児全部に当てはめるのは非常に非科学的です。
その数例の子供と、相談者の子供がまったく同じ脳の構造で、同じ環境で育ち続け、まったく同じ英語学習をするわけではありません。
ですから、その実例は何の証拠にもなりません。
科学的根拠から論理的に判断し、可能性を述べるのがCritical Thinking です。
しかし、残念ながら日本人の思考過程はずいぶんせっかちで100%保障出来る答えがほしいみたいですね。
相談者はその回答で "go with the flow"の確認が得られるのでしょうか。
例:子供に海外留学させたい。おすすめの時期は?国は?
留学目的も何もわからないままで回答するのは、まず無理です。
ここでも恐らく相談者は、「この国にこの年齢で行けば絶対成功します」という公式もようなものを求めているのだと思います。
Oversimplification.
日本中にあふれています。
観察してみてください。
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