大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カナダ高校入学前にビクトリアのATP語学プログラムに行きます - 語学学校より質はいいですか?」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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カナダ高校入学前にビクトリアのATP語学プログラムに行きます - 語学学校より質はいいですか?

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留学 大学・高校正規留学 2019-02-04 04:55

高校入学前の奇妙な語学学校ルートがかなり定着してしまってますね。

もともとは、受入学区やエージェントが、ひとりの留学生からもっと儲けようと始めたことなのですが、最近の傾向は目に余ります。

なぜ「高校留学は語学学校から」という妙な認識が存在しているかを、カナダ留学の歴史から説明してみました。 

【質問】 

今年の4月からカナダに高校留学するものです。 高校は9月から入学なのですが、それまでの間最初は語学学校に行こうと思っていたのですが語学学校の評判を聞くと日本人だらけだとか英語が伸びないとかずっと遊んでいるとか悪い噂を聞いたので親と話し合った結果ビクトリアのatpに行くことになりました。

実際、多くのエージェントが語学学校をお勧めしているのでatpの情報が全くないのでどんな感じかわからないです。

教えてください! 

【回答】 

「カナダの高校留学 = まず語学学校に行かなくちゃ!」は危険な思い込みですね。

まず、そこに気づいていただきたいと思い回答致します。

 

カナダ在住、1994年以来、カナダにやって来る日本人若者の支援をする傍ら、本当の「カナダ留学」成功させるためのアカデミックヘルプを行っています。

 

「カナダの高校留学 = カナダ現地の高校生と同じレベルの英語能力と学習能力が必要」という図式をまず脳の中に入れて下さい。

「カナダに高校留学したい! まず語学学校に行かなくちゃ!」はエージェントと受入学区が巧妙に作り出し、留学生からもっと多くの(正規の授業料以外に)お金を儲けようとするずるいビジネスモデルということを理解して下さい。

 

理由は、下記の「カナダ高校留学の歴史」に説明しておきました。

 

1.1990年初頭、カナダの公立高校が外国人留学生の受入を始めました。

州政府命令の「カナダで税金を払っていない外国人の子供を受け入れる場合は、地元高校生の邪魔にならないよう、また、面倒をみるための費用を盛り込んだ高い授業料を課すこと」に従い、約年間$13,000~15,000の留学生授業料を設定しました。

 

2.非英語圏からやって来る留学生を助けるためにESL(外国人用の英語クラス)を用意し、留学生をまずそのESLに入れ、英語の能力が上がってから正規のコースを履修出来る制度にしたのもその頃です。

 

3.しかし、肝心の能力がないままカナダに来る留学生、英語の能力もいつまでたっても上がらない事実に、受け入れ側は困ってしまいました。

 

入学許可するのに高い英語能力を課せばそこで問題は解決したはずなのですが。。。。

かと言って、年間$15,000もの授業料を諦めきれなかったカナダ側とエージェント。

 

4.じゃぁ、能力の低い留学生用には、受入学校の負担を減らすために、外部の語学学校と提携しまずは英語の訓練をさせようと。

 

そこから始まったのが、まずは留学生だけを大量に集め、日本の新学年である4月から、カナダの新学年の9月までの間、適当に英語コースを開催し、またまたバカ高い授業料を取るビジネスです。

それをエージェントが、まるで「カナダ高校留学」には必須の過程の様にに宣伝したところから、あなたのような「「カナダの高校留学 = まず語学学校に行かなくちゃ!」と間違った思い込みが独り歩きを始めてしまったわけです。

 

語学学校に集められた留学生の質は、あなたも気がつかれているように、低いです。

素行もかなり悪いです。

全くのお金と時間の無駄です。

 

5.高校に入れる前の語学学校がそんなに儲かるのなら、自分たちでやっちゃおう!と、参入して来たのがVictoria School Districtです。

 

独自で語学学校過程も始めたわけです。 その分がっぽがっぽ儲かりますからね。

エージェントも協力し(リベートをくれる学区には逆らえませんから)高校留学生を誘導するようになりました。

学区が始めたプログラムであっても、内容は語学学校と同じです。

異なる点は、あなたが払う高い授業料が、語学学校に取られるか、Victoria Districtに取られるかだけです。

__________________

 

カナダの高校のレベルは世界的にも高いです。

その高校で、現地学生と同じ主要科目の授業を取るには、留学前の入念な準備が欠かせません。

英語文法基本はまず問題なく理解し、文法を運用する能力があること、クリティカル・シンキングを使ったreading能力があること、正しい方法で英語エッセイが書けること、などなど、準備にはかなりの努力と時間が必要です。

 

そうして、晴れて留学を果たした日本人高校生は、語学学校など必要ありません。

他の科目はもちろん、すぐにEnglish10に入ることを許可される場合もありますし、例え学校がESLの必要性を感じた場合でも1学期程度のESLで十分。

Victoriaの語学プログラムのように、留学生だけをひとつのカテゴリーにし隔離された中に行くのではなく、カナダの高校でひとりの学生としての場が用意されることになります。

 

そんな日本人高校生がカナダで頑張っていることもよく知っておいて下さい。

今から方向転換出来るのであれば、考え直すことをお勧めしますね。

 

現在、カナダの63の日本人高校生受入留学プログラムへの調査を行っています。

受け入れ側の余りの傲慢さと怠惰な態度に呆れたからです。

「日本人高校生をどれだけ真剣に面倒みていますか?」質問事項をメールし、明日からその分析に入るところです。

 

Victoriaからは返信がありません。

いい機会だから、VictoriaのATPについても説明しませんか?と促したのですが、日本人への説明には興味はないようです。

分析結果は追って発表しますが、数あるカナダの受入地区の中でも、Victoria 地区自体はお勧めではありませんのでそれも付け足しておきます。

留学飽和状態に陥っている地区です。

 

よく調べ、考え、あなたの大切な人生の一時期を無駄にしないようにして下さいね。

 

重ねてのご質問等ありましたら、直接メールでお寄せ下さい。

 

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