大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
なぜ日本人は英語エッセイが書けないか - 答えは日清コマーシャルの Osaka Naomi
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日清食品のコマーシャルがカナダ・アメリカで問題になっています。
「日本てどんな国?」
日清食品はお詫びをしたとか。
ニューヨーク・タイムズにも取り上げられていました。
トランプに代表される危険な白人至上主義に目を光らせる現在、「日本てどんな国?」疑問が起こっても不思議がないと思います。
テニスのOsawa Naomi さん。
日本人の血を持つ人が世界で活躍するのは素晴らしい。
そこに目をつけ、コマーシャルに起用した日清もなかなかやる。
しかし、Osaka Naomiさんを、単一民族日本に当てはめようとしたところは困ったものだと思います。
漫画化したNaomiさんの皮膚の色は白人。
漫画の世界だから。。。と日清は言い訳をしているそうですが、「褐色の肌もコマーシャルでは白人の肌に変える国」日本を宣伝したことになったことは無頓着。
もともと日本人は黄色人種。
白人ではないのに、「美白なんちゃら」が盛んで、白人の目の真似をしたアイメークも。
日本に来てそんな社会現象を目撃した外国人の目に写る日本人観は「白人のような広い皮膚と、ぱっちりした彫りの深い目がうらやましくてたまらない日本人」となっていることも、残念な事実です。
日本の外で何が起こっているかに無頓着なのは、コマーシャルやメークの世界だけでなく、若い頭脳にも顕著に見られる現象です。
留学した日本人、留学準備の日本人、受験中の日本人の若者がエッセイに書くための自分の意見が構築できません。
日本人生徒向けに、カナダからオンラインで英語エッセイ指導をしていますが、視野の狭さに驚愕することが日常茶飯事です。
エッセイの構造、的確な文法などの指導に行く以前の段階、エッセイプランのところで具体的・客観的・論理的意見を組み立てることが出来ません。
例えば「大学は勉強意欲のある学生には無償とするべきかどうか」というTOEFLのエッセイテーマにも、「せっかく受験勉強した生徒がかわいそう」とか「誰でも大学に行けると社会に出る時期が遅れる」とか、まずは「大学」とは何のために存在するのか、「大学」と「社会」との関係などという「定義づけ」から教える必要があります。
日本で、学校と塾と部活だけの生活を送り、暗記受験勉強で本も読む時間さえない日本の中学・高校生の狭い経験値では書けないテーマです。
カナダの高校生たちはクリティカルシンキングを使いスラスラと書き上げるテーマです。
まずは日本社会が単一民族主義を捨て、世界中からあらゆる移民を受入、開かれた国になってほしいものですね。
そうしたら「白い皮膚」のNaomi Osakaなど起こりようもないはず。
日本社会も日清食品の言い訳などは聞く耳を持たなくなるはずだと感じます。
色とりどりの皮膚が美しい移民国家カナダに住んでいると、今回の日清食品コマーシャル事件は「あ。。。また。。。」と絶句したしまった残念なニュースでした。
日本の中学・高校生たちは、この問題についてエッセイを書いて!と言われたら果たしてどんな意見を書くのでしょうね。
「え〜何が悪いのぉ〜〜」の思考段階では、英語エッセイは書けないですよ!
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