大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カナダで学ぶ留学生の自殺率 - 危機的な増加傾向」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
Super World Club 代表
サービス:1件
Q&A:116件
コラム:1,641件
写真:1件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

カナダで学ぶ留学生の自殺率 - 危機的な増加傾向

- good

留学 大学・高校正規留学 2019-01-20 08:32

アメリカ・オーストラリア、イギリス、カナダなど英語圏に留学中の高校生・大学生の自殺が増えているという痛ましいニュースです。

 

カナダのVancouver Sunの記者が、BC州の留学生の自殺の多さに驚き、州政府に正確な数字を問い合わせたところ、何の回答も得られなかったとのことです。  (Dec.10, 2018) 

特にこの最近、トランプアメリカを嫌い、カナダに留学目的地を変更する中国・インドからの留学生が非常に増加しています。

BC州のみならず、この機会を逃してなるものかと、カナダ全土のSchool Districtが一生懸命中国・インド行脚を行っています。

「うちの地域がベストですよ。 高い教育レベルと、美しい自然と、フレンドリーなコミュニティ!」と、どのDistrictも同じ退屈な宣伝文句をふりかざし、ボロ儲けの留学生授業料を狙っています。

 

先日もリッチモンド地区に留学する中国人高校生が自殺し、在バンクーバー中国領事が「大きなストレスと親からの過度の期待による精神疾患が顕著」と警告を発する始末です。

 

「未知の国で未成年がひとりぼっちになる高校留学」

「教育制度も理解しずらく、学校での活動にストレスを感じる」

「他人と生活するホームステイでの大きなストレス」

「英語力不足から学校の授業についていけない」

「カナダの授業についていくにはどうしたらいいのか迷ってしまっている」

「本国の親からは、良い成績、卒業資格を取れと高い期待を寄せられる」

「留学したものの友達も出来ず、孤独な生活」

「学生ビザの更新など、外国での在留資格を継続することのストレス」

「誰かに相談したくても言葉が思うように通じない」

などなど、留学生の負担は大きいと報道されています。

 

特にまだ未成年の高校生年齢の留学生にとっては、学校の勉強に打ち込むどころか、日々のストレスに対処するだけで力尽きてしまうケースも多いとのことです。

 

カナダへの留学生の自殺率増加自体も、相当深刻な問題ですが、更に驚愕の事実があります。

 

Meanwhile, a dire mental-health phenomenon continues to expand along with the unprecedented rise of international students, which politicians and educational administrators welcome for the billions of dollars they pour into local economies and educators’ salaries.

「過去に例をみない留学生の自殺率の高さと相まって、緊急事態とも言える留学生の不安定な精神状況は悪化の一途をたどっています。 しかし、政治家や留学生受入先の教育委員会は、留学生と言えば巨額の授業料を払ってくれ、地域の経済や教員たちの給料を支える存在としか考えが及びません。 心細く外国で暮らす留学生の抱える悩みやストレスにはまるで関心がありません。」

 

Vancouver Sunの記者がBC Coroner’s Office (検視官の部署)に、留学生の死亡データを問い合わせたところ、なしのつぶて。

重ねての問い合わせにも答えず、おそらく留学生の死については「自殺」であろうが「他殺」であろうが「事故死」であろうが、州・国が乗り出して調査する気はないらしいとのこと。

メデイアの問い合わせも無視するんですね。

留学生は外国人なので、カナダの国は責任ないよ〜を態度で現しているのか、BC Coroner’s Officeがとてつもなく無能なのか。

 

「あなたの学区に留学する日本人高校生がどう扱われているのか知りたいです。 質問に答えて下さい。」メールをカナダ中の教育委員会(School District)に送って8日経ちました。

返信率14%という低さの理由は、ここかも。

「留学生のことなんて、なんで答えなくちゃいけない?」態度かも知れませんね。

あるいは、高校留学プログラムを持つカナダのSchool District担当者が異常に無能?

どっちにしても、困ったものです。

 

カナダに子供さんが高校留学中の親のみなさん。

 

子供がカナダという全く日本とは異なる環境で、他人の顔色を見ながら生活し、学校では英語力不足からまともに扱ってももらえず、それでも親の期待に応えようとは思うけどどうしたらいいのか。。。。

カナダの国を、教育制度を、人を、よく知りもせずに、親自身はぬくぬくと言葉の通じる日本にいて、親の思い込みだけで子供をプッシュし続けるのはかなり危険だと思います。

 

まずは、親自身がカナダの教育制度を100%理解し、子供の立場で励ましてあげることが絶対必要ですね。

子供の性格も、能力も一番よく知っているはずの親ですが、いったん外国に留学させてしまうと、子供の本当の悩みには手が届かなくなります。

「無理だね〜。 日本でやり直そう。」という選択肢も親から用意してあげることも忘れないで下さい。

 

カナダの制度など「カナダの高校留学の実態」eBook公開中です。

(現在その2編集中)

ダウンロードご希望の方はこちらから。


 

プロフィール対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真