大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「日本人は何故未だに英語が話せないのですか?」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
Super World Club 代表
サービス:1件
Q&A:116件
コラム:1,643件
写真:1件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

日本人は何故未だに英語が話せないのですか?

- good

クリティカルシンキング 2018-08-28 02:38

日本の英語教育を決める「エライ人達」にとって耳の痛い質問だと思います。

現実はこうです。

 

【質問】

 

日本人は何故未だに英語が話せないのですか?

中学高校と散々勉強したのに。

 

【回答】

 

日本全体が考えるべき疑問ですね。

世界での日本の英語力の低さは「悪名高い」のが残念な事実です。

 

また、このような質問が来るたびに「日本人で英語が出来る人はいますよ。」との反論が来ますが、質問への答えではありませんね。

「日本人にも英語が出来る人はいますか?」という質問ではありませんので。

 

あの人も出来る。 この人も出来る。 日本人を低く言うのを止めろ。

とかの妙な反論を、私自身もよく耳にしますが、そこがそもそもの「日本人英語下手」の原点だと思います。

 

「英語思考の元となるクリティカル・シンキングが日本語社会自体に存在していない。」

これが大きな理由だと思っています。

例えば、クリティカル・シンキングのタブーである「質問の定義をすり替えない事」への違反は普通に起こります。

「感情的意見はタブー」これも無視状態です。

また、誰かが自分と違う意見を述べると「あの人の性格が問題だ」「言い方が悪い」とかなんとか、「意見」そのものではなく、人物攻撃に終始する日本の姿が非常に残念です。

 

日本で38年間クリティカルシンキングを指導し、現在はカナダ在住です。

日常の思考法の大きな違いを目の当たりにしながら、心配な気持ちで日本を眺めています。

 

質問者の方が疑問に思われて当然のように、一般的に日本人は英語が出来ません。

中学で3年、高校で3年。 はほぼ日本全体が英語を学習しているはずの6年です。

6年も学習し、未だに簡単なやりとりにも事欠き、自分の意見を簡単に述べることにも不自由する日本人の姿は確かに異常です。

 

また、幼児を「英会話教室」なるものに送り込み、小学校でも自らも英語の出来ない小学校の先生にお任せの「日本の英語教育改革?」が始まっていますが、効果があるように見えますか?

少なくとも目に見える効果は出ていないのが現状だと感じます。

 

英語を話す人たちは、思考法自体が大きく異なるのだという事実。

これを理解せずに、行き当たりばったりの的外れの改変を行っているのが、日本の「英語教育もどき」ですね。

 

またここでも、このような反論が多く出てきます。

「日本人は優れた能力を持つ。日本固有の思考法には問題はない。」と。

 

いやいや、どちらの思考法が正しいかなどの議論をしているのではありません。

「英語を理解するためには異なる思考法を学ぶことが必須だ」と主張しているだけです。

日本語を学ぶ外国人が日本語を理解するには、日本語固有の考え方を学ぶのが必要なのも当然のことです。

しかし、ここでもクリティカル・シンキングからは遠く離れた「感情的な主題のすり替え」が起こっています。

 

日本の人が英語の思考法を学ぶことに躊躇するのであれば、英語を学ぶことも必要ないのではないかと思ってしまいます。

英語は、異なるものを学ぶ学習意欲の高い、一部の学生への選択科目にするのも一案かも知れません。

 

日本語にも英語にも、各言語の後ろには途方もなく大きな文化背景、歴史背景、社会背景が存在します。

英語の背景を学ぶには、クリティカル・シンキング理解は欠かすことが出来ません。

 

 

プロフィール対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真