人には色んな生き方があってもいいんじゃないか？と疑問を持つ中学生からの質問です。

「ルートからはずれるなんてとんでもない！」という日本の風潮に異を唱える勇気がありますね。

ただし「現実を知らない」勇気と「現実を知ってからの」勇気とは、意味が違う理解してほしいと思い、アドバイスしました。

【質問】

中卒から海外の大学への留学への進学は可能でしょうか。



私は今中学三年生なのですが、高校にはいかないで家で家事を手伝いながら勉強をし、海外の大学で正規入学し、四年間勉強したいと思っています。(もともと留学はしたかったです。)

勉強自体はそこまで嫌いじゃないし、むしろ知りたいことが有れば納得するまで飲まず食わずで夜通し調べたりしています。言われたことをやるのが苦手で自分の好きな時に好きな教科を勉強したいのです。いつも大抵は授業の時間割ではなく、やりたい教科をやりたい時にコソコソやっています。



高校からは任意での入学ならば無理に入らなくてもいいんじゃないか？
行きたくもない場所に行って縛られて嫌な思いをするぐらいならお金も浮くしそっちの方がメリットの方が多いのでは？
私は将来の夢がまだなく、日本の大学のように入ってすぐに理系と文系と分けられてしまうのが自分の可能性を狭めてしまうようで気が進まないのです。

【回答】

日本の高校のあり方に大きな疑問を抱く考え方はよく理解出来ますよ。

英語圏留学成功に必須のクリティカルシンキング思考の芽が育っているのかも知れませんね。

それはとてもいいことだと思います。

日本でクリティカルシンキング指導を38年間行い、現在カナダ在住、日本に向けてのクリティカルシンキングオンラインコースで、「考える能力」のある日本人を育てています。

また、カナダにやってくる日本の若者が、カナダの高校・大学の卒業資格が取れるよう支援を行っている経験からのアドバイスです。

１．高校の勉強は海外大学への進学には必須ですので、通信制でも何でも、高校の学習内容を脳に蓄積し、卒業資格を取って下さい。

例えば、カナダの大学への出願には、ほぼすべての大学で『高校卒業資格を有すること』と書かれています。

高卒同等の資格（大検など）を使いたい場合は、個々に大学に問い合わせてみることが必要ですが、難しい挑戦でしょうね。

出願するのはあなただけではないし、他の留学生がすべて高校を良い成績で卒業しているなら、まず競争に加わるのは不可能です。

しかし、資格よりも何よりも、高校で学習する内容は、次のレベルの大学には絶対必要です。

丸暗記しかしない日本の高校の内容でも、基本となる大切な事実・情報として欠かすことは出来ません。

将来の自分の姿を実感するためにも、海外の大学留学目的を自身で把握するためにも、高校３年間の経験は非常に重要ですよ。

２．海外の大学に正式入学するためには『高校でのトップクラスの成績』『大学の授業に見合うだけの高い英語能力』が要求されます。

大学の授業内容に見合う高い能力とは、例えばTOEFLで言えばiBT90~100です。

進学校で英語を鍛えられ、トップクラスの成績が取れる日本の高校生でも取れません。

独学でそのレベルに到達するのは、まず無理でしょう。

３．どのような形にせよ、高校の３年間、「自分とは一体誰なのか？」「どんなギフトを持って生まれて来ているのか？」などを認識する人生の大切な時期にしてください。

そこから自ずと「自分の将来の目的」が見えてくるはずですからね。

そのために費やす高校生活は「無理に入る」大きな意義を持っていると思います。

Good luck!