大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カレッジでカナダの高校卒業資格を取る選択肢」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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カレッジでカナダの高校卒業資格を取る選択肢

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留学 大学・高校正規留学 2018-07-03 08:58

「カナダ高校留学の実態」無料eBookダウンロードしていただいた高校生や親からのご相談、たくさん届いています。

同じような問題を抱えている方にもお役に立ちますよう、ご相談への具体的な対応例をご紹介させていただきます。

今回は「セカンダリースクールでは高校卒業単位が全部取れなかった。年齢も19歳にかかるがどうしてもカナダの高校卒業資格を持って帰国したい。どんな方法がベストか。」です。

 

留学生ビジネスの盛んなカナダの都市部には、University とは別に多くのCollegeがあります。

(注意:カレッジと名前をつけている語学学校も多いですが、ここでお話するCollegeとは州政府の認可を受け、資格の取れる正式なコースを提供する学校を指します。)

 

それらカレッジの多くは、高校を卒業していないカナダの大人、または卒業したものの大学進学に必要な単位が取れていない大人向けのコースを提供しています。

名称はカレッジにより色々です。

Academic upgrading, Senior secondary program, Adult education などなど。

 

日本人高校生が今まで在籍していたセカンダリースクールでの成績、単位数、単位の内容などを詳細にお聞きしたのち、カレッジで残りの単位を取るべきか、あるいはセカンダリースクール管轄のスクールボードと相談の上、スクールボードが開講している大人向の高校の授業を取るかなどの選択肢を考えることとなります。

スクールボードにより方針も異なりますので、ここではスクールボードの選択肢の詳細は割愛させていただきます。

 

いずれにしても、あと何の授業を取り、単位をもらう必要があるのかの詳しい資料が必要です。

(ご相談の際には、今までの成績の資料などをご用意いただくと話がスムーズに進みます。)

 

カレッジで高校の卒業単位を取る選択肢にはひとつ利点があります。

卒業資格が取れ次第、そのカレッジの専門コースを履修することが可能です。

カナダ政府が認可する正式なPost-secondary educationを受けることが出来、コース終了後にはCertificate(6ヶ月〜1年程度のコース)Associate diploma (2年前後のコース)がもらえます。

 

もちろん、これらの資格は日本でも使えますし、何よりも専門分野を英語で勉強することにより、英語運用能力は高校留学中よりもはるかに伸びると期待出来ます。

 

カレッジの中には、高校コースを履修しながら、上記専門のコースへの入学を認めてくれるところもあります。 Dual credit educational experiencesと呼ばれる制度です。

高校で足踏みしてしまった時間を取り戻せるチャンスにもなりえますが、勉強量は非常に多いことも理解しておく必要があります。

 

直接カレッジのAdmission officerと交渉した際には、入学基準が変わる場合もありますが、カナダのセカンダリースクールからの入学者でも、英語を母国語としない留学生の出願には英語力を証明するスコアが必要です。

ただ、カレッジの専門分野、Universityなどへの出願よりははるかに低いスコアがAcademic upgrading 生には適応されます。

TOEFLiBTの場合は40~50程度が普通のようです。

カナダの高校に少なくとも2年は在学し、一生懸命勉強していた高校生なら余裕でクリア出来る点数です。

 

学費は、残念ながら、かなり高額となります。

1コースを1学期(16週間)で終了すると授業料は大体カナダ・ドルで$6,000くらいです。

卒業までにどれだけの単位が必要かにより学費は2倍、3倍と上がって行きますので要注意です。

 

ご相談いただく際に、これまでの成績と履修内容が必要というのはこのためです。

 

高校卒業資格までの残り単位数が多すぎる場合には、カレッジで再挑戦するよりは日本に戻り他の方法を考える方がいいと思います。

少なくともGrade11のコースは履修済み。 残りのGrade12の2コース程度と、最大難関のEnglish12(アルバータならEnglish30-1)の履修を目指す高校生なら、カレッジでの再挑戦は大いに意義があると思います。

 

ご相談いただいたあと、在学中のセカンダリースクールの方針、スクールボードのadult education へのシステム、地域のカレッジでのオプションなどを一緒に調べ、最善策を考えるのがプロセスとなります。

 

人生の一番大切とも言える10代後半を、方向も見えない、努力の仕方もわからない状態におかれてしまう「高校留学」の実態。

エージェントとスクールボードのお金儲けの道具にされたままの傷心の経験にならないよう、何とか将来につながる結果を残して胸をはって帰国してほしいですね。


Cheers! 

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