大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
高校留学したけど友達が出来ずひとりぼっちで辛いです
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守ってくれる親もいない、友達も出来ない。
毎日、ホストと学校の行き帰りだけ。
孤独な高校留学生の姿です。
【質問】
海外に留学している高校2年生です。 現在は夏休みで日本にいるのですが、8月には海外に戻らないといけません。
留学してから1年経つちますが、友達が日本人しかいなくてその子は8月からはいません。なので1人になってしまいます。現地の子とは会話するどころかハローと挨拶する人もいません。
英語は普通に喋れる方だと思うのですが(全く喋れない訳では無いので)やはり友達作りとなると難しく感じます。
大好きな家族、友達とかが自分の近くにいない状態なので精神的に辛いですし、学校に行きたくないなと思う日がすごいあります。
【回答】
「留学して現地の友達をいっぱい作る!」との期待を胸に海を渡った高校生のみなさん。
思ったほど、地元の高校生はあなたへの興味を示してくれませんよね。
30年近くに渡り、カナダにやって来る日本の高校生の支援を行っています。
BC州を中心に活動したあと、アルバータ州南部の大平原の小さな町に1年、現在は、州都のエドモントン在住です。
どこの国のどんな環境で留学なさっているのかの詳細はともかく、「現地の友達が出来ない」のは、あなたの社交性の問題でも、英語力の問題でも、努力不足の問題でもないと思います。
留学生のおかれている現状が問題です。
いくつかのCase Studyで説明してみます。
〈田舎に留学中の場合〉
田舎の小さな町では、子供たちは幼い頃からずっと一緒に育って来た仲間です。 高校にはあらゆるレベルの生徒がいますが、頭のいい子たちは特に確固としたグループを作り上げています。
外国から来て、英語も出来ない留学生がグループに入る隙間はありません、残念ながら。
英語が普通に出来、クリティカルシンキングを使った会話ができれば話は少し変わりますが、まず難しいです。
スポーツなどに参加するのがベストの方法ですが、それでもその活動内でのみの付き合いで終わります。
また、大学進学を目指す頭の良い高校生は、日常かなり忙しいです。 アルバイト、ボランティアなどを積極的に行い、地元社会ではかなり認められた存在でもあります。
留学生に構っている暇も、興味もないのが現実です。
〈都会に留学中の場合〉
大きな街でも状況はほぼ同じです。
留学生が団子状につるみ、母国語ばかり話していることの多い大きな高校では、現地高校生が留学生と交わることは、まずありません。
英語も出来ず、共通の話題もない留学生には、興味は持ってくれませんし、母国語で固まっている留学生に近寄ることもありません。 留学生に嫌悪感を持っている高校生も多いのも見過ごせない現実です。
〈 親元を離れ、ホームステイしている留学生の立場〉
友達作りへの大きな障害のひとつは、「親がいない」ことです。
友達付き合いはMutual(お互い)の関係が必要です。 親同士も知り合いになり、高校生同士の友人関係をサポートしてくれるのが普通です。
食事に呼ばれたり、呼んだり。 家を行き来したり。 それの出来ない留学生は、本当の意味では現地の高校生やその親には信用されない存在です。
出来の悪い留学生が余りにも多いため、「留学生」というカテゴリー自体が否定的に認識され、地元の大人達から信用されないという悲しい事実もあります。
残念ながら、これが現実です。
もし、「友達作り」があなたの留学目的の第一義だったのなら、日本で高校に戻った方がはるかに楽しい高校生活を送れると思いますよ。
親もいますしね。
まだ、留学を続けて頑張りたいのなら、「友達作り」はいったん諦めて、学校で評判になるくらいの好成績を取る努力をして下さい。
どこの国でもそうですが、「成績の良い子」は好意的に見られるようになり、自然に周りの高校生が興味を示し始めるかも知れませんよ。
周りの大人も、あなたを信用してくれるようになると思います。
Good luck!
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