大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダに留学したいみなさん、ホストファミリー事情を知っていますか?
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高校留学を希望するみなさん。
夢物語留学計画はこんな所でも挫折して行きます。
入念な事前下調べはエージェントに任せず、必ず自分ですることです。
【質問】
カナダの高校に留学しています。今のホームステイの人はすごくいい人なんですが、住んでいる場所がど田舎すぎてすごく困ってます。バス停まで歩いて30分かかります。出かけるにもしんどいしジムに行くのにすら無理です。バス停に行っても店一つありません。
ホームステイを変えたいのですが僕のエージェントがそれだけの理由では変えてくれません。
【回答】
日本からは想像もつかない程大きいカナダでは、数少ない都会からちょっと離れたとたん、あなたの住んでいるような環境になることが普通です。
留学前に自分で入念な下調べをせず、エージェント任せにした留学のツケのように聞こえます。
カナダにて、日本からの優秀な留学生支援をし30年近くになります。
カナダ在住です。
1.留学前に、カナダのどの地域で勉強したいのか、自分で決めましたか?
バンクーバーやトロントなどのような大都会のど真ん中の学校に行き、カナダの都会生活を経験しながら高校に通うことを希望しましたか?
それなら、公共交通機関がかなり整備されていますので、自分で行動することはいつでも可能です。
自転車でも大丈夫。
歩いても、周りにはたくさんのお店があります。
都会のど真ん中の高校自体は、お勧め出来るものではありませんが、住環境を優先するなら、この選択肢になります。
しかし、都会でもど真ん中から少し離れたとたん、どこに行くにも車が必要となります。
公共交通機関はあるにはありますが、何しろ広いカナダですので、バス停は遠いし、バスも1時間に一回とかと、日本の便利さで育った人には何とも不便で仕方ない環境になります。
それとも、カナダの自然の中で、小さな地域社会を経験する留学を希望しましたか?
その場合は、広い広いカナダにポツポツ存在する小さな町の高校に通うことになります。
田舎の町に住んでいる場合は、おそらく町にひとつあるチッポケな食料品店が唯一のお店という場合が多いです。
大きな商業施設に行くには車が必要です。
学校には、スクールバスで周辺の農業地帯から生徒が通って来ます。
公共交通機関はまず期待出来ない場所です。
何をするにも、いちいちホストの顔色を伺い、送ってくれるよう頼む必要があります。
これは留学生にとってかなりの精神的負担です。
あなたはどちらを希望して留学準備をしましたか?
恐らく、受け身のエージェント任せの留学計画だったのではと思います。
エージェントは、特定の地域のスクールボードと契約しており、日本人留学生を1人送るごとにその生徒が払う授業料の15〜20%をリベートとして受取ます。
ですから、留学生の希望を、無理やり自分たちのビジネスに合わせます。
「ここはいい所ですよ〜」と。
仮にエージェント任せだったとしても、ホストファミリーを決める前には希望を出したと思います。
また、ホストが決定した後も、どんな環境に住むホストなのかをエージェントにしつこく聞きましたか?
高いお金を出してホームステイするのですから、自分が納得出来る環境であるかどうかは、事前に確認すべきでしたね。
2.エージェントがホストチェンジをしぶるには2つ大きな理由があります。
ホストファミリーを決める権限はスクールボードが持っており、それには逆らえないこと。
例えば、最近問題が表面化しているノバスコシア留学では、スクールボードが学校選びも、ホスト選びもコントロールしており、日本人留学生、エージェントはそれに従うことが契約となっています。
高い授業料を払い、高いホームステイ費を払って遠くからやってくる日本人留学生の権利は全く無視です。
スクールボードは、留学生の払うホームステイ費は地域経済活性化のためにホストに落ちるお金と考えています。
ですから、その受け皿であるホストファミリーの機嫌を損ねることは絶対にしません。
上記ノバスコシアでは、ホストチェンジを頼んだら「帰国」させるぞと脅されたという相談も受けたことがあります。
大きなエージェントの場合、自分たちのホストリストを持っている場合もありますが、ホストファミリー不足は慢性的な問題です。
お金のあるカナダ人はホストファミリーには興味ありません。
わざわざ外国からやって来る未成年、しかも英語が出来ない、英語文化のマナーもない留学生の世話など真っ平ごめんです。
(日本人高校留学生の評判はよくないですよ。 英語が出来ない、学習能力が低い、精神的にも幼いのに、なんで日本の親はこんな未成年を外国に送るんだろう?と。)
従って、ホスト候補はお金の必要な人たちのみとなってしまったのが現状です。
そのお金目当てのホストでも、絶対数が足りませんので、機嫌を損ねないようにとエージェントは必死です。
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これがカナダ高校留学の現状です。
エージェントにお任せで来てしまったのなら、今更「こんな環境は嫌だ。」とは言えませんね。
カナダとはこんな所だと腹をくくって、慣れるしか選択肢はないと思います。
どうしても我慢出来ない場合は、エージェントと真剣な交渉をするか、スクールボードに苦情を出すかですね。
エージェントにも、スクールボードにとっても、あなたは顧客。
高額の費用を払っているのですから、苦情を出す権利は十分にありますよ。
Good Luck!
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