大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「騙された日本人で溢れかえるカナダの高校留学事情」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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騙された日本人で溢れかえるカナダの高校留学事情

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留学 大学・高校正規留学 2018-04-24 02:11

カナダの高校留学事情、実際にその渦中に放り込まれた高校生からの深刻な相談です。

「2年で卒業できるよ」と嘘を言われ、「日本人は少ないよ」とだまされ、送り込まれた先は、日本人留学生が多すぎで団子みたいに固まるカナダの高校。

卒業に必要なEnglish 10, 11, 12など到底届かない能力で、1年経ってもESLのまま。

現地カナダからの相談です。

 

質問】

 

現在カナダの高校に在籍しているものです。日本の高校に1年通った後留学し、当初の予定では現在所属している高校に二年間通う予定でしたが、現在カナダの違う地域の高校に転校しようかと悩んでいます。

現在通っている高校は日本人が多く、固まりがちになってしまうこと、来年の九月にさらに日本人留学生が増えるとのこと、現在の学校のオフィスの対応に満足していなく、少し治安が悪いところが挙げられます。

転校先の高校の話を聞いたところ、かなり親身に色んな対応してくれるとのことです。

 

卒業後日本の大学へ進学予定なのですが、今回の転校が受験の時に大きな影響を及ぼすのでしょうか。

留学経験者で留学中に転向をされた方、又は何か詳しく分かる方、回答のほどよろしくお願いします。

 

【回答】

カナダの高校留学事情を、内部からよく暴露していただいたご相談ですね。

 

そうです。

エージェントがどんどん質を無視して送り出す日本人高校生が、カナダに溢れています。

「留学生の数 x リベート=エージェントの儲け」ですから、ビジネスに勤しんでいるわけですね。

また、受け入れ側のスクールボードは、あなた達留学生の払う授業料にウハウハよだれをたらしています。

日本人が何人来ようが、学校で固まっていようが、ESLのままでどこにも進めず、卒業など夢のまた夢であろうが、関心はありません。

 

カナダ在住、30年近くに渡り、日本からやって来る優秀な留学生の支援をしている立場からアドバイスさせていただきます。

 

1.カナダ国内でどこに転校しようが、日本の大学の帰国生入試には影響はないと思います(個々の大学の出願基準をよく調べることが必要ですけどね)。

 

それよりも、もっと深刻な問題は、果たして「好成績」でEnglish 12をパスし、卒業資格(diploma)が取れるかということです。

準備もなく、能力もなく、日本から来た高校生には、カナダの高校を卒業することはほぼ不可能です。

4~5年かけると、もしかして何%は卒業にこぎ着けるかもしれませんが、上記English 12を3年以内に好成績で合格することはほとんどありません。

English12がないと、帰国生入試も難しいですよ)

 

「現在の高校に2年通う予定でしたが。。」というコメントから、おそらく留学前にエージェントの甘い話に騙されてしまったのかなと思います。

「日本の単位を移せますよ!」を信用してしまいましたか?

全部移せるわけではないし(言語も、レベルも違う国ですからね)、一番ネックのEnglish 10, 11, 12がいかに難関かなどは、誰も説明してくれなかったのかなと思います。

しかも、高校何年生から留学しても、English10年生レベルからをとらないといけないことは知っていましたか?

 

転校について。

もし、あなたが優秀な留学生で、現在すでにEnglish10を履修中。

しかも、成績は80%を超えている場合は、恐らくあと2年で English 11, 12を死に物狂いで頑張れば卒業が見えてくると思います。

 

その場合は、現在の日本人で溢れかえっている高校では、低能力の他の日本人高校生と同じ目で見られ、今後のプロセスがスムーズに行かない可能性が高いです。

自分のペースで勉強出来、現地カナダの優秀な高校生たちと交わる機会の多い高校に転校することはプラスだと思います。

 

ただし、同じスクールボード管轄内では、どこに転校しても、受け入れ側の方針は同じですので、転校の意味はありません。

全く別の地区に転校するか、別の州に転校するかの選択肢を選ぶことをお勧めします。

 

もし、あなたがまだESLに留め置かれ(ほとんどの日本人高校生が入れられるクラスです)、来学期もEnglish10の可能性が見えていない場合は、どこに転校しても同じです。

まずは、英語の能力を底上げし、クリティカル・シンキング理解の訓練を受け、一学期でも早くEnglish10に入れる努力をする方が先です。

卒業は、English10を取り始めてから3年かかると思って下さい。

 

〈「回答」への返事をいただきました。 未だにESLだそうです。〉

 

2.カナダの高校のオフィスがどれだけ面倒見がいいかは、あくまで雇われている個人次第です。

 

現在の高校のオフィスの人は、英語の出来ない多すぎる日本人に辟易しているのかも知れないし、またはただ個人的に良い人ではないのかも知れません。

転校先のオフィスの対応は、必ず自分でコンタクトを取り、どのくらい親切に対応してくれるのか、どんな人がいるのかを、自分で調べること。

人からの話は信用しないこと、です。

そうでないと、後悔しても後の祭りになります。

 

3.治安の悪いところにも、平気で未成年の留学生を送りつけるのがエージェントです。

 

日本人が多すぎで、治安が悪い場所。

BC州のサレーかな?

よくまぁ、こんな所に、何も現実を知らせずに日本の高校生を送るなと呆れる場所です。

 

BC州は、日本からの留学生が一番多い場所です。

移民も非常に多く、余程の田舎にでも行かない限り、白人が大多数を占める高校を探すのが難しいくらいです。

カナダ社会の常識も知らず、英語でも満足なコミュニケーションが取れない日本人高校生にとっては、危険な環境もたくさん存在します。

(エージェントは口が裂けてもそんなこと言いません)

 

バンクーバー地区、バーナビー、ノースバンクーバー、ウェストバンクーバー、コキットラム、ラングレー、アボッツフォード、メープルリッジ、リッチモンド、ビクトリアなども、日本人留学生だらけです。

しかも、治安面では、精神的に幼い日本人には好環境とは言えないですね。

転校する場合は、これも自分で歩いて回って、環境をよく確認してからにすることが大切です。

 

また最近化けの皮が剥がれ始めているノバスコシア州の留学生プログラムもお勧め出来ませんので、気をつけて下さい。

 

 

同じような状況で「こんなはずではなかった。。」迷子の日本人高校生が、カナダには非常にたくさんいます。

とても心が痛みますが、考えが甘かったとしか言いようのない現状です。

同じカナダに住む日本人として、やりきれない気持ちでSOS相談を受けていますが「そんなことも知らずに来たの?!」と驚きの連続です。

 

 

Good luck!


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