大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「英語ごっこ体験」を「留学」とは呼ばないこと」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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「英語ごっこ体験」を「留学」とは呼ばないこと

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留学 大学・高校正規留学 2018-03-10 04:12

「留学」の定義を問い直す的を得た質問に出会いました。

正に! 「英語ごっこ付きの海外旅行」を「留学」と呼ばないように。

 

(質問)

 

大仰に「留学」と言っても、実際の内容が語学研修だったのなら、遊学って言いませんか?

なにかボクの勘違いかも知れないけど、留学と言うとなにがしかの学位を貰ってくるとか?

 

(回答)

大拍手の質問です。

カナダ在住、日本から本当の「留学」を目指してやってくる優秀な若者の支援をしています。

 

留学の定義:自分の勉強したい分野に進んでいる外国、あるいは自分の専門分野の制度が充実している外国に留まり、勉強すること。 多くは、学位、卒業資格などを目指すものとする。

 

つまり「留学」とは:自分の勉強目的がある程度明確で、取得したい専門分野の能力・スキルを理解し、それを勉強出来る国と教育機関を調べ、その国に留まり勉強し、資格・学位を得ること。

 

ですから、単に「英語をしゃべれるようになりたい!」「英語が出来るようになりたい!」日本人が大挙して押し寄せる語学学校や語学コースは、「語学研修」が適した呼び方です。

いや、実は「語学研修」とも呼べないひどいレベルのものもあります。


 

1.学生集めに必死の大学が「交換留学」と称して行っている1年程度の経験は「語学研修」です。

日本の大学生たちは英語のレベルが低すぎるので、正式な授業にはもちろん入れてもらえず、外国人用の英語コース(ESL)に入るにも英語レベルが低すぎ、受け入れ大学が日本人専用の初級コースを開設しています。

(日本人の払うお金が魅力なんでしょうね)

 

2.また、街中のインチキ語学学校に来る日本人は、午前中英語レッスン、午後は遠足のような活動をする場合が多いです。

これになると「語学研修」という名前もつけたくないくらい、低レベルの経験です。

雇われている講師の質もかなり低い場合が多いので、どんな「研修?」といつも不思議に思って見ています。

この類いは、「英語ごっこのついた海外旅行」と呼ぶのが適切だと思います。

 

3.これも学生集めの餌として、レベルの低い私立高校が、1年の期間限定で生徒をカナダに送りつけて来ます。

英語も学習能力もレベルが低すぎるし、精神年齢も幼すぎることから、正式な高校の授業には入れません。

体育や木工など、英語の特に必要でないクラスの片隅で、ひっそり過ごして日本に帰って行きます。

これは何と呼びましょうか。

「カナダの高校生ごっこ」かな?

「留学」などとはとても呼べる質ではありません。

 

4.日本でうまくいかないからと、親に遠くに送られる日本人高校生もたくさんやって来ます。

「卒業留学」です!と親は豪語しています。

本人も最初のうちは「卒業留学」です!と現実を知らないまま自慢します。

到底卒業など夢のまた夢とわかった瞬間から、親も子供もおとなしくなります。

どれだけの高い能力がないとカナダの高校卒業資格には手が届かないか、わかり始めているはずなんですが、奇跡でも起こるのを待っているのかどうか、日本に戻って再出発をするチャンスには見向きもしません。

 

これを「卒業留学」などと呼ぶのは、本当に能力も目的も持ちカナダの高校で勉強している優秀な日本人に大迷惑ですし、失礼です。

読者のみなさんから最適なネーミングを募りたい気分ですが、とりあえず親のお金を無駄に、湯水のように使うだけの「カナダの高校生ごっこ浪費型」ですね。

 

久々に胸のスカッとする質問でした。

Thank you!

 

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