大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カナダに「高校留学」を考えている中学生のみなさんへ - カナダ現地からの忠告」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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カナダに「高校留学」を考えている中学生のみなさんへ - カナダ現地からの忠告

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留学 大学・高校正規留学 2018-03-01 03:30

中学生の将来への大きな希望ですね。

大きな希望が悲惨な現実に直面し、大切な人生の数年間を台無しにすることがないよう願います。

日本の中学生のみなさん、これが「高校留学」の本当の顔です。

 

【質問】

 

高校留学を考えている中2です。 行きたい国はカナダに決まりました。

FSS-Osakaでかかる費用が167万円~223万円と書いてあったのですが、卒業留学を考えている私は500万円~700万円で留学できると考えてよいのでしょうか?

また、おすすめの奨学金を教えてください。返済ありで構いません。その中でも金利が低いものを教えて頂ければ幸いです。

 

【回答】

カナダ在住です。

カナダ現地で、日本からやって来る優秀な学生の支援をしています。

 

「高校留学」については、日本に伝わっている情報、エージェントが語る情報はほぼ90%「嘘」のバラ色夢物語ですので、自分で何が信じられるのか確実に確かめるまでは実行しないこと。

 

「高校留学」については長年に渡り、実際に目撃した悲惨な事実をコラムにしています。

カナダのメデイアも、余りの野放し状態の「高校留学」なるものの報道を始めました。

またエージェントの「嘘」に騙された子供の体験を切実に訴える親の存在も表面に出てき始めました。


質問への具体的な回答です。 

1.FSSから「嘘」をいっぱい聞かされ、カナダに来ていた高校生の相談に乗ったことがあります。

 

嘘その1:「田舎の高校に行くと日本人はあなただけですよ。」

実際は、小さな田舎の高校にもすでに4人の日本人がいました。

あ、また英語の出来ない日本人が来たと、到着時からレベルの低いグループと見なされたそうです。

 

嘘その2:「1年カナダで勉強すると、カナダの大学に行ける英語レベルになりますよ。」

もともとの英語能力・学習能力の低さから、正式な授業には入れず、中学生と同じ授業(それでもついていけない)か、体育やアートのような英語の必要ない授業の隅っこに置かれただけの1年でした。

英語のレベルは、もちろん向上もせず、普段のホストとの会話にも不自由するほどのカタカナ発音もそのままでした。

 

嘘その3:「現地でもサポートしますよ。」

FSSの担当者は現地には存在せず、ホームステイも現地業者に丸投げ、1年を通して全くコンタクトをとってくれることはありませんでした。

ホストも呆れていました。 この子はまるで、エージェントに捨てられたみたいと。

 

2.私費留学で1年にかかる費用は、地域・学校により異なりますが、年間167〜223万円では無理です。

 

年間の授業料は大体$12,000~15,000(約¥1,350,000)

その他費用(保険料・ホームステイプレースメント費など)$2,000 (¥180,000)

ホームステイ費用(1年)$10,000 (¥900,000)

航空券代(1年に一度帰国するとして)(¥300,000)

学校のスポーツなど課外活動費用 $2,000 (¥180,000)

お小遣い(個人差はありますが) $3,000 (¥270,000)

 

合計: ¥3,180,000

 

これはすべて自分で手続をした場合の費用です。

エージェントを通すと、サービス料、サポート料などエージェントが勝手に作っている様々な費目がありますので、それが上記にプラスとなります。

(エージェントには、あなたをどこかの学校に送り込むだけで授業料の15~20% のリベートが転がり込む仕組みですので、手数料無料を恥ずかしげもなく宣伝する所もあります。 その場合は「やった!」と喜ぶより、「カナダに捨てられる」と思うのが妥当です。 何のヘルプも得られませんからね。)

 

3.上記年間の費用 x 最低5年 が卒業に(もし出来たとしても)必要な高校留学の費用です。

 

つまり、¥3,180,000 x 5 = ¥15,900,000

 

上記リンクからコラムを読むとわかると思いますが、余程高い学習能力・英語能力・クリティカル・シンキング能力がないと、カナダの高校を卒業するのは不可能です。(他国でも同様です)

それでも、無理やり頑張って卒業を目指す場合は、夏期休暇は返上、エージェントが主催するバカ高い補習を受ける日本人が多いです。

費用はバラバラですが、中には¥1,000,000近く請求するところもありますので、それもプラスして考える必要があります。

 

4.高校への私費留学生には奨学金はありません。

 

カナダの公立高校は無償です。

カナダ人の税金で運営されている公教育に、わざわざ外国人の高校生を入れるからには、各教育委員会は高額の授業料を徴収することが義務となっています。

カナダで税金も払っていない親の子供の面倒をみるわけですから、当然のことです。

 

自分で勝手に選んで私費を払ってまでカナダの高校に来る日本人への奨学金制度など存在しないのは、そこからもおわかりですね。

 

カナダの親にも、私立高校を望む親が増えており、それに従い結構な数の私立高校がありますが、要注意。

年間の費用は跳ね上がります。

 ________________ 

「高校留学」しかも「卒業資格」を目指すのは、特別に限られた優秀な日本人だけに可能です。

もし、自分にはその資質があり、費用面でも問題ないと思える場合は、今すぐクリティカル・シンキングの特訓を始めることですね。

その思考能力がない限り、カナダの高校のEnglish10には入れません。

卒業にはEnglish10,11,12が必修です。

ほとんどの日本人留学生は、English10に何年経っても届かず、何も得られず「中卒」のまま帰国していきます。

 

現実をよく見据え、自分の人生の大切な一部分を無駄にしないように。

カナダからの忠告です。

 

 

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