大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「ホームステイ」の意味を知っていますか?」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
Super World Club 代表
サービス:1件
Q&A:116件
コラム:1,641件
写真:1件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

「ホームステイ」の意味を知っていますか?

- good

留学 ホームステイ 2017-12-13 06:38

「ホームステイ」の意味が独り歩きし、勘違いを起こしている相談に出会いました。

「ホームステイ」とは:留学生などがその国の一般家庭に寄宿し生活すること

「ホームステイ」とは、外国で活動する際の単なる滞在手段のはずなんですが、「ホームステイ」自体が目的になってしまうと、難しい問題が表面に出て来ます。

(質問)
小学生6年生で、ホームステイを考えているのですが、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、などの一番安いホームステイってありますか?1週間で1人で行く予定です。

(回答)

小学6年生ひとりで外国体験を考えているんですか?

勇気は素晴らしいですが、現実をよく知ってから丁寧に計画を立てて下さいね。
 

1,「一番安いプラン」を望むのは危険ですし、稚すぎると思います。


「外国に親戚や知り合いが住んでおり、そこにおいてもらう」のなら全く話は別です。

航空運賃のみで安い体験が出来るはず。


そうでないなら「安いプラン」は危険です。


外国での「ホームステイ」とは、外国で他人の家にお金を払っておいてもらうことです。

アパートを借りるのと概念は同じですが、同じ家の中においてもらうということが異なります。


よく日本の若い人が勘違いをしていますが、「ホームステイ」はビジネス契約です。

「わぁい、日本の6年生がひとりでやって来る!ぜひ面倒をみたい!」という善意のボランティアがホストファミリーではありません。


外国でのホームステイとは、毎月、或いは日払いの契約に基づき、ホストにお金を払います。

短期の場合にはかなり割高になります。


ホスト側は普通、清潔な部屋を提供し、毎日の3食を提供することになっています。

それ以外はホストの人柄により扱いが相当異なります。

全く下宿人として扱い、接触がほぼないケース。

夕食後に団欒に誘ってくれるケース。

週末にどこかに連れ出してくれるかどうかは、ホストの責任外ですので、多くは期待出来ません。


ステイする側も、その国の社会常識、ホストの家のルールを守る必要があります。

英語圏の常識を理解し、英語でコミュニケーションが取れるなら大丈夫ですが、6年生ではかなり難しいと思います。

 

2.日本から小学生が団体で「ホームステイ」をする場合は、旅行業者や留学業者がツアーを組むのが普通ですが、そこにも大きな落とし穴があります。


昼間は英語学校、或いは地元の学校に通い、週末は業者側が遠足を計画するのがよくあるツアーです。

ホストファミリーはインターネットなどで募集し、リストアップしている家族です。


カナダのホストを扱って30年近くになりますが、ホストを希望するのはほぼ報酬を期待している人たちです。

中にはホームステイ費で家族の生活を賄うケースも多く、冷蔵庫が空っぽだったり、食事が手抜きだったり、部屋が不潔だったり、送り迎えを嫌がったりと、問題がどんどん起こります。


犯罪歴のある人はホストにはなれないのですが、正式な学校機関を通していない「ホームステイ」では、その当たりもずいぶん曖昧なのが現実です。


それでも、一応は業者がアレンジしてくれますので、まぁ、当たり外れさえ我慢すれば「一般的なホームステイ」は体験出来ると思いますが、費用はかなり高額です。


ここでも「なるべく安く」とケチればケチるほど、ホストの質とプログラムの質が下がることを理解しておいて下さい。


3.自分ひとりだけで、海外のホストファミリー斡旋業者と交渉し、1週間おいてくれるホストを探すケース。


現地の知り合いを通じ、紹介してもらい、その知り合いに滞在中の全責任をもってもらう場合を除き、まず不可能だと思います。

6年生という年齢の子どもの面倒を見るには大きな責任がついて回りますし、各国の法律自体が許可しないと思います。


 「安いホームステイ」を探すより、今大切なことは:

1.1週間外国に行く目的を考えて、それに見合う方法を考えること

2.どこの国に行くかも、相談して決めてもらうのではなく、自分で調べ、自分の目的にあったところに決めること

3.何でも自分で出来るよう、普段から心がけること

4.英語での礼儀正しいコミュニケーションが出来るよう準備すること

5.日本国内でも社会の大人とたくさんコミュニケーションを取り、経験を積むよう心がけること


そうしているうちに、実際の年齢も、精神的にも大人になっていき、「安いプラン」を選ぶ危険性は下がると思います。

もし、待てないならば、高額な費用を払って業者のプログラムに参加するしか選択肢はないでしょうね。

突然親類が外国に移住でもしない限り。

 Good Luck!

(追記)

と、回答した後、自画自賛ではありますが「うちの生徒たちはすごくラッキーだよな〜」と。 Machiko & Robert はカナダで待ってるよ! 頼りになりますからね。



プロフィール対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真