大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「(その6)これからカナダ留学するみなさんへ-[留学せん事-2004年出版]からの助言」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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(その6)これからカナダ留学するみなさんへ-[留学せん事-2004年出版]からの助言

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留学 大学・高校正規留学 2017-08-24 03:58

1994年からカナダで日本人留学生の支援をし、現在に至ります。

送り出す日本側の意識の低さ、受け入れカナダ側のいい加減さに嫌気がさし、今はサイエンス専攻を目指す特別な高校留学、またA.I. 研究者を目指す大学留学のサポートのみ行っております。

 

2004年には「留学せん事」を出版し、実は全くバラ色ではない「高校留学」の実体をご紹介しました。

ここでは、その中からシリーズでご紹介しています。

 

【留学せん事】ロバート・ミックミラン/大澤眞知子 共著 2004年出版 日本文学館

「。。。日本の生徒たちは、外国に行ったからといって、突然いい価値観など身につけたりはしませんよ。 留学は行動の躾をする機会ではありませんから。 単に外国に行くことで性格を変えることが出来るなどというのは大嘘です。。。。」

 

1.留学に過大な夢を見るのは実は日本の親

 

日本の親が冷静で、心構えがしっかりしていると子供の成功する確率は高くなります。

留学した国の社会事情、教育制度、卒業に必要な単位、大学制度などを親はよく知ってから留学させる必要があります。

 

こんな事も知らずによく留学させますねと、呆れるくらい余りにも基本的な事に無知な親たちが多いです。

未成年が学生ビザをもらうのに絶対必要な「後見人」も、一体誰が子供の後見人なのか知らない人が多いのに愕然とします。

後見人を任命する書類にサインし、日本の公証人の印章をもらっているはずなんですが、その人物が誰なのか、どんな人なのか、信用していいのかどうかさえ全く無頓着なのには絶句します。

病気・怪我などの緊急時には親に変わって決断を下すことが出来る人物であるのも関わらず。

 

失敗する留学生の親に多いタイプ:

・学校、ホストや私達が観察した、子供の問題行動を信じようとしない

・問題を解決するための話し合いをしない

・子供の行動を正そうとしない

 

その結果:

・問題があるという事実を不快に思い

・私たちに反発し

・責任を他に転嫁する (トランプみたいですね。笑えます。)

 

というように、親の中には混乱の極み、しかも事情のわからない外国で起こる問題に、対処出来ない人も出て来ます。

自分の親が混乱状態にある留学生たちは、北アメリカで絶対必要な独立性を身につけることが出来なくなります。

自由と責任をうまく融合させていく過程が取れなくなります。

 

親たちが、失敗の原因を誰かに押し付けようと、必死で走り回っている間に、何を努力するでもない凡庸の中に浸かり、自分たちの失敗を反省する機会もない子供になります。

それは確実に更なる失敗への坂道に転がり落ちていることとなります。

特に、外国では。

 

そんな親の留学生たちの定型パターンとは?

問題が起こるたびに学校・ホストを変わる。

自分が悪いんじゃない、環境が悪かっただけ?

見え見えです。

 

 

2.「成績が良くないから留学しようかな」が、なぜまだはびこっているのか

 

「中学の成績は悪いんですがカナダに高校留学出来ますか?」

「英語はまあまあ好きなのでカナダに留学したいです。」

「日本の教育制度でうまくいかないのでカナダに留学したいです。」

こんな質問がYahooやGooの相談コーナーに溢れています。

 

私も登録専門家としてQ&Aに関与するのですが、余りにお粗末で自分勝手な質問にいつも卒倒しそうになります。

 

そして、そのようなお粗末な留学予備軍こそ、留学エージェントと受け入れ学校、教育委員会のおいしい餌となります。

高い授業料もいとわず、何を言われても信じ、問題を起こすとそのままこっそり帰国。

面倒も見る必要ない、ボロ儲けの商品となります。

 

受け入れ側、エージェント側にほんの少しでも良心が芽生えない限り、「成績が良くないから留学しようかな」症候群は消滅しませんね。

 

だから、いわゆる「高校留学」からは手を引きました。

アホらしくてやってられません。

 

「。。。ほんの一握りの、強い動機のある、いい成績の取れる、いい日本の価値観のある、将来への明確な目的のある生徒だけが、高校留学する資格があります。 それも、十分過ぎる準備をしたならば、です。 厳しいですか? 今述べたことはどこかおかしいですか? じゃぁ、こう考えて下さい。

ショックが大きくて今でも頭から離れない言葉があります。「あまり成績良くないから留学でもしようかな。」 ショックの余り下顎がはずれかかりました。

その言葉は私の頭の中でこう聞こえました。

「やっと日本語の勉強の成果が出て、中学レベルの漢字が読めるようになった! さぁ東大に行こう!」

母国語でもよく理解出来なかった、数学、理科、社会などの科目を、外国語の英語で勉強する国で、どうやって、良い成績が取れるなどと勘違いして、留学などするのでしょう。 さっぱりわかりません。」(ロバート・ミックミラン「留学せん事」より)

 

 

(最終編)に続く

 

ご質問などありましたらお寄せ下さい。

より具体的な回答も出来ると思います。

 

Good luck!

 

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