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昨年春に「社内弁護士という選択〜インハウスカウンセルの実際の仕事を描いた１５講」を出版されたアフラック社の社内弁護士である芦原一郎氏の第２弾は、法務担当者ではない一般ビジネスパーソン向けに書かれた、企業法務入門書。
芦原氏も書かれているが、「法化社会」（久保利弁護士の命名）となった現代では、法律に関する知識はパソコン・スキルと同様に、ビジネスパーソンにとって必要不可欠なものになりつつある。もちろん、個別具体的な事項は法務部スタッフや弁護士の出番だが、ビジネスの第一線に立っている方々においては法律知識やスキルというよりも、リスクを感じ取る「法務的なセンス」が重要だ。
会社全体のコンプライアンスを高めたり、リスクマネジメント力を向上させるために、事業部門への社内法務研修の展開は各社法務部の重要業務の一つ。この本は、社内法務研修テキストとしても大いに参考になると考える。分量はコンパクト、内容は実務的。さらに筆者は「他山の石」「文殊の知恵」「記者会見テスト」などキーワードを印象づけて記憶に残させるテクニックが秀逸であるから、実際に社内研修で利用すれば、会社の中での法務業務に関する「共通言語化」をはかり、現場と法務の距離感を縮めることも期待できる。
法務担当者も参考に出来る一冊だ。