岸井 幸生(公認会計士・税理士)- コラム「複業と公認会計士」 - 専門家プロファイル

岸井 幸生
社外から会社のビジネスを支えるプロ社外役員

岸井 幸生

キシイ サチオ
( 東京都 / 公認会計士・税理士 )
LBA会計事務所 代表
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複業と公認会計士

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2019-07-19 17:20

こんにちは。公認会計士の岸井です。

4,5年の潜伏期を脱して、先日コラムを更新しました。

これで「新着!」の一番上が2015年から2019年になりましたが、何と「新着!」は直近3つのコラムが出てしまうようで、4.5年さぼっていた形跡がトップページに残ってしまっています。

これでは「5年に1回書く人」になってしまうので、この機に3つ新しい日付にしてやろうと思います。(その後また5年後にならないようにしないとね)


自己紹介時の違和感

経営者の団体での挨拶はじめ、いろんな場面で名刺交換する機会があります。初めての方が私の名刺を見て、7割くらいの確率でこう言います。


”あぁ、税理士さんですね”


はい。税理士さんです。そうなんです。でも、何か違うと心の中でいつも思っています。


いや、名刺に公認会計士・税理士って書いてあるので、相手には何の落ち度もないんです。間違ってないです。

でも何というか、「税理士さんですね」の中に、「あなたはこういう仕事をしている人なんですよね」という、ある種の行動の制限というか、枠みたいなものを感じてしまい、勝手に窮屈な思いをしてしまっています。

私が完全に勝手に思っているだけで、相手は名刺に書いてある情報を口に出しているだけだと知っています。今回はこの’違和感’と親和性のある話題を取り上げましょう。


副業か複業か

仕事を複数持つことに関して、新たな時代の新しい働き方だとか、いや体のいい国家的搾取だとか言われています。

「フクギョウ」には2種類あると思っています。ひとつは、「足りない分のお金を稼ぐ手段としての副業」。もう一つは、「やりたいことを実現するための手段としての複業」です。


「足りない分のお金を稼ぐ手段としての副業」は、長引く不況で一向に上がらない所得の問題の解決策として、働き方改革によって図らずもできてしまった時間の受け皿として、企業が解禁し始めている本業以外のサブの仕事です。老後資金2000万円以上必要という格好のネタもあって、働かなくては!貯めなくては!年金返せ!(?)という煽り&焦りで成り立っているフクギョウです。

基本的に、既存の苦行に、もう一個時間を切り売りする苦行をプラスするという発想になってしまうので、二つ合わせると過剰労働になってけしからん、という議論が生まれます。


「やりたいことを実現するための手段としての複業」は、スキルアップできるからやる、本業でも役に立つからやる、ともかくやりたいからやる仕事です。お金の必要性に迫られてやることではありません。イメージ的には本業が終わって家に帰ってテレビを見る、の「テレビを見る」を「複業してる」に替えただけです。副業禁止が解かれてルール的にもできるようになったので、水面下にあったものが出てきた感じです。

言うまでもなく、楽しいのは後者です。


あなたは何をしている人ですか?

本業一本の時はすんなり答えられる質問でした。

回答を聞いて、質問者も

「ふんふん、税理士さんですね。なるほどですね。」

とわかりやすかったわけです。


ところが、2つ目以降ができたときに、一気にミステリアス度が増します。

「税理士さんなのに、なんで貿易で海外行ってるんですか?」

「税理士業界も大変ですからね~。ニヤニヤ(なぜか同情)」

「集中できない人ですか?」

「頭おかしい人ですか?」


「社会人たるもの本業に専念すべき」という認識が存在し、本業以外は本来やらないもの、やらない方がいいもの、という思い込みが確かに存在します。


イノベーションは既存のもの同士の結合によってもたらされる

変化の速い世の中です。イノベーション(革新)が求められます。しかし、まったく新しいことを開発したり始めたりすることはとても難しいことです。

すでに存在しているもの同士の新しい結合によってもイノベーションは起こる、とは偉大な経済学者のシュンペーターの言葉です。

すでに存在している「●●やさん」が別の「△△やさん」と結合することで、新しい価値が生まれる。


(ようやく話がつながってきたぞ・・・)


そうです、複業する人が増え、そこらじゅうで新しい結合が生まれると、イノベーションの芽がたくさん生えてきます。だから複業(副業ではない)はバンバンやるべき、と思っています。

枠を取り払った時から新しい価値が生まれ始めます。


まとめ

税理士がいわゆる税理士の仕事だけをする時代は終わりつつあります。会計事務所としての存在意義が「帳簿作って申告してくれる」ことから「会社をいい方向にナビゲートしてくれる」ことに本格シフトしていくのに合わせて、私自身も世界を広げて価値を高めていかないといけないのです。

と、自己紹介時の違和感からここまで引っ張って書いてしまいました。

やろうぜ複業!



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