大塚 嘉一
オオツカ ヨシカズローマでフィアット・プントを、らしく走らせる
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ローマで乗ったのはフィアットのプント。二十数年前、ムサい車好きが集まったツアーで訪れたイタリヤで、フリーの日に、レンタカーでも借りようと街に繰り出すと、同じ目的でうろうろしていた同じツアーの同好の士に出会いました。二人で一台を借りることになりました。もちろんマニュアル車です。
まずは私が運転席に。左ハンドルは慣れたものと、走り出したものの、ひやひやのし通しです。もともと道が狭いうえに、周りのドライバーが、皆、車線は守らないは、割り込みはするは、無法者ばかりです。
ふと同乗者を見ると、すずしい顔をしています。
なんだコノヤローとばかりに、右足をさらに踏み込みます。弁護士であることを忘れて、私も無法者ドライバーの仲間入りです。車は、右に左に大きく揺れます。
どうだと横を見ると、依然としてすずしい顔がそこにあります。
それじゃあオマエが運転してみろよ、という気持ちが半分、ちょっと疲れたのが半分で、運転を交替してもらいました。
運転手を変えた黄色いプントは、どうしたことでしょう、まるで生まれ変わったかのように、ミズスマシよろしくスイスイと、ローマの街中をすり抜けていくではありませんか。
この手の小排気量の車は、加速するにしろ、カーブを曲がるにしろ、エンジンのパワーのマックスのポイントをどこに持ってくるかが勝負です。それが、スパッ、スパッと、ことごとく決まるのです。私の数倍は、操縦が上手です。
運転が上手いなら、上手いと早く言ってほしかった。
種明かし。「う、運転、う、上手いよね」と、私。「毎週、週末にラリーの練習をしてるの」と、彼女。
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