磯部 茂(コピーライター)- コラム「広告の普遍的手法」 - 専門家プロファイル

磯部 茂
ひとの心に、化学反応を!

磯部 茂

イソベ シゲル
( 神奈川県 / コピーライター )
有限会社ペア・ファクトリー 代表取締役
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広告の普遍的手法

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マーケティング 2014-01-11 19:57


いまでは広告も日々進化し、

正直、専門の私たちも追いつかない所があるのが現状だ。

特に、ネットメディア手法の移り変わりは早く、

最新の情報が半年で陳腐化することも、ままある。


が、そうした事例はさておき、

広告が、常に人相手であることに変わりはない。

そこには、当然のように感情がつきまとう。


ではなぜ感情なのかだが、

総じて人の心を動かすのは理屈ではない、というのが、

広告の歴史から得られた答えである。


例えば、クルマなどはスペックが重要な要素を占めるが、

ならばスペックの優れたクルマが一番売れるハズ。

だが、実際はそうではない。

それはデザインかも知れない。価格の可能性もある。

いや、メーカーで選んでいるのかも知れないし、

ひょっとすると広告や販促物で決めた場合もあるだろう。


選ぶエレメントは、実に多彩だ。


ただの理屈だけで、人はモノを買わないのだ。


人の感情が介在する限り、

広告が一筋縄ではいかない難しさがここにある。



話は変わるが、先日NHKのクローズアップ現代を観ていたら、

NPOに携わる方たちの苦悩が語られていた。

曰く、寄付金が集まらない、人が集まらない…


志高く、困った人たちをサポートすることを旨とする彼らにも、

やはり或る特定の手法が必要と、

アメリカで活躍している現役のプロが語っていた。


彼の名はマーシャル・ガンツ博士(ハーバード大)。

アメリカで人種差別撤廃に向けた活動や、

数多くの草の根運動を成功させ、

オバマ大統領の再選にも係わった人として名高い。


そして、その彼が日本の活動家に語るその手法は、

実にシンプルなものだった。


そのアウトラインを話すと、まず「物語」を語れ、

ということであった。


ここでいう物語とは、

例えば差別された経験やいじめられた過去を躊躇なく皆に披露し、

まず自らがオープンになること。

そして、その経験から、話は「あなた」へと移行する。

あなたもそんな経験のひとつやふたつありませんか?

と、共有を図ってみることだと言う。


そして、私とあなた方と共有するものがあれば、

これは他人事ではなく、一緒に問題解決に向けて、

動きませんか、と。


こうして物語は、次第に人の心を揺さぶり、

そして徐々に広がってゆくというのである。


このテレビを観いて感じたことだが、

内容が実に古典的な広告的手法であるということだった。


ゲストの糸井重里さんも、やはりそのような内容の話をしていた。


思うに、広告の手法とは、

なにもモノを売るだけの手法ではない、ということ。


いかなる場面でも、転用が可能なのだ。


「人は感情で動く」

そこに普遍性がある訳だ。


そのことを理解していれば、後はトライ&エラーを繰り返すのみ。

それしかない。


なぜなら、広告を学ぶことは、よく人間というものを知る、

ということに他ならない。


だからタチが悪い、

終わりがない、

いや、だから面白いではないか。




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