ケース２の亜希子さんは、継母に母を求め拒否され、幾度となく傷ついてきました。

　実子でないかぎり母と娘はライバルになる可能性が高いです。継母に母を求めても、継母はライバルとして受け答えをし、母親の言葉を期待する娘は怒り感じる、このようなパターンが多いです。

　亜希子さんは今でも継母の言葉に傷つくことがあり「母への怒りから解放されたい」と願っていました。

　怒りや憎しみ悲しみを感じることは誰でもイヤですよね。

　今回は継親に対する怒りを相続の際にリセットする方法です。
　その方法とはと、意外にも法律の解釈です。

　早速法律の話です。養子縁組していない継親子は法律から見ると、扶養・親権・相続のない関係と言えます。養子縁組すると、実子と同じ関係になります。
　実母の遺産だから、実子の亜希子さんが相続でました。

　この事実から “血も涙もない法律”ではなく“法律は人の本能から作られた”と推測できます。

　法律のほうが人間の感情に素直だと感じませんか。
　亜希子さんが継母の遺産を相続できないことは、継母の本当の気持ちに一致しているかもしれません。

　継母である相談者から先妻の子どもに対する気持ちを伺うときもありました。そのとき、わが子と継子への愛情に差があるのが「人の情」とわかりました。

　誰でも親に傷つけられた経験を持っています。

　なぜなら、小さい頃の環境が完璧だった人はいないからです。
　確かに継子はツライ思いをしたでしょう。
　ですが、継子だけが辛い思いをしたわけではないのです。

　
　過去にこだわって幸せになるでしょうか？
　良いことは全く起きないはずですョ。

　だとしたら、継親に対する憎しみを相続の際にリセットしましょう。

　法律から憎しみを理解するだけで、状況を適切に理解できます。これはご自分一人でできます。

　実親や継親の葬儀～相続の一連の儀式を“過去の愛憎をリセットする儀式”と捉える。
　すると、過去の満たされない気持ちを消化できます。愛憎を消したほうが人生、楽に生きられます。
　

ら

継親への憎しみをリセットする４つの儀式

1】養子縁組しているか、戸籍を調べる
　養子縁組していなかったら扶養・親権・相続の権利義務が生じない事実を認める
　継子であるあなたには親の扶養の義務はありません

　「継親に子どもの扶養・親権・相続の権利義務が発生しない」この事実を認識する
　

2】実親や継親の葬儀～相続の一連の儀式を“過去の愛憎をリセットする儀式”と捉える
　このとき、ほとんどの継子に感情の高ぶりが起きます。

　じっくりとその感情を味わい、ご自分の未来のために何が必要かを感じてください。

　
　A、継親に子どもの扶養・親権・相続の権利義務が発生しない。
　B、継子であるあなたには親の扶養の義務と相続の管理も発生しない。

　C、だから、過去の愛憎は消す、継親は他者である。
　上記のA~Cを紙に書いて声に出し、確認する。紙は破くなり、あなたのしたいように処分する。

3】実親からの遺産を相続したら、実親から愛情を受け取ったと考える

4】多くの子どもたちは親から傷つけられた経験を持っていることを認める

　この儀式は葬儀前から相続終了後一年ぐらいまでかかることもあります。

　継親がご存命のとき、この一連の儀式の後に継親と薄い付き合いをするもよし、深く付き合うもよし、二度と会わない関係もよし、ご自分の意志で未来の親子関係を小気味よいくらいに楽に決められます。
　さらに、決定を継親に伝える必要もありません。

　あなたが自由であると思えば自由になります。継親や実親はあなたの未来の選択に関係ありません。

　ご自分の人生を生きてください。