中村 はるみ
ナカムラ ハルミグループ
突然、見知らぬ女性が遺族席に座りました。相続での怒りを静める3つの方法
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■ ケース1 突然、見知らぬ女性が遺族席、妹の隣に座りました。
あなたが受け取る取るべき財産を突然、見知らぬ人が「私のモノ」と主張したらどうします?
私は一代と申します。30代独身です。父の葬儀の参列者だと思っていた見知らぬ女性が突然、妹の隣に座りました。
何が起きたか分からず、長女の私は喪主である母を見ました。蝋人形のような母の横顔とその女性の横顔。そのとき初めて異母姉の存在を知りました。
葬儀の夜に母親が後妻であることを初めて知りました。突如として現れた異母姉の存在。後日、異母姉の代理人である弁護士からの遺産分割請求の内容証明書が送られてきました。
母は「前妻には財産のすべてを渡し、夫と私が一から作り上げた財産だから渡す必要がない」と言いました。父の遺言書はありませんでした。
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夫婦円満コンサルタント中村はるみです。
一代さんのお父様が事前に専門家に相談し相続に備えていれば、今回のようなことは起きなかったと言えます。ここでは遺産相続の法的知識・節税方法のことは他のサイト任せて、豊かな人生のための円満相続の視点からお話いたします。
今回の一代さん一家の遺産相続は、異母姉が遺産放棄しないかぎりは、凄腕の弁護士をつけても財産の6分の1は姉に渡さなくては収拾がつかない状況でした。
なぜなら、異母姉が参列者として静かにお焼香に来たのでなく、遺族として妹さんの隣に座ったのは、ある意味、争族を覚悟しご自身の存在を示しに来たからです。
今回、重要なことは、異母姉に対する感情の整理と希望している財産相続です。
状況1】一代さんたちが住んでいる家を売らずに済むだけの財産と現金を父親は残してくれた。
状況2】一代さんたちは家や土地を手放したくない。
状況3】相続財産も減るが異母姉にも納税義務があり、一代さんたちが支払う税金も減る。
争っても法的に勝てない状況でした。円満相続で終えたほうが賢いです。
相続は勝ち負けではありません。
● 相続で怒りを収める3つの方法
1】関係者の真実を推測すること
2】事実を知ること、特に法的事実を知る
3】ご自分の望みを意識すること
怒りを収める方法で、今回の相続の全体図が判ります。その全体図が下記です。
一代さんの真実は2つ。長女と思いこんでいたのに、自分に上の姉がいるという裏切られた気持ちです。当然のように家族(母と妹と自分)で相続すると考えていました。
ですから異母姉の遺産分割請求は父親の財産を横取りされたという感情を引き起こしたのです。
異母姉の真実は3つ。小2のときに父親をとられた悲しみと怒り、実父の財産の遺産分割請求は当然の権利であり、ある意味リベンジ。今までの恨みを伝える手段が遺族席に座るという行動だった。
敵意があったと言えるでしょうが、それに反応すると泥沼になりますので反発は避けるべきです。
更に前妻の真実と後妻である一代さんの母の真実。各自の真実は異なります。
ですがそれには触れないでおきました。すでに過去のことですし、お父様は亡くなっていますので。
・事実は、法的に財産の6分の1は異母姉妹に渡さなくてはいけない状況。
・一代さん一家の望みは、経済的な円満相続。
全体図を一代さんご一家で確認し、今後を考えベストな納得する答えを出していただきました。
【学んだ法則1】事実は1つでも、真実は人の想いの数だけある
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