佐野 靖
サノ ヤスシ戸建新築住宅での全館空調と工法との相性について
住宅・不動産 住宅設計・構造 2009/02/08 22:10新築住宅で全館空調を検討しております。
全館空調では実績豊富な三菱地所ホームか在来工法の古河林業にするか悩んいます。
1.現在の新築プラン
・建坪 50坪(1F:25、2F:23坪、ロフト:2坪程 度)
・サッシはペアガラス内部樹脂、LOW−Eガラス、
・ダイニング 吹き抜け4.5畳程度
2.HM候補
(1)古河林業
・在来工法
・壁に両面からボードをはり面で支える構造
・制震
・全館空調は三菱電機エアリゾート(エアリゾートはエアロテ ックと全く同じ機械)
・断熱性 外壁 90ミリ ロックウール
筋交いのある部分は75ミリの発泡ポ リスチレン
天井 180ミリ ロックウール
床 75ミリ 発泡ポリスチレン
(2)三菱地所ホーム
・2×4構造
・断熱性 外壁 90ミリ ロックウール
天井 180ミリ ロックウール
床 90ミリ 発泡ポリスチレン
・全館空調 エアロテック
3.質問事項
・ランニングコストに違いはでるのでしょうか?どちらがよい でしょうか?一般に2×4のほうが在来工法より断熱性能が よいといわれますが、古河は在来でも2×4的な構造になっ ています。それでも、違いはあるのでしょうか?
古河と三菱との違いは、断熱材の外側とボードの間に通気層 あることのようです。この通気層があることによって、断熱 性能に影響があるのでしょうか?
・断熱性能が古河のほうが劣る場合は、どのようにすれば三菱 地所同等になるのでしょうか(例:床の断熱材を75から三 菱と同等の90以上にするとかなど)
・耐震性の違いはあるでしょうか?
ミーパパさん ( 神奈川県 / 男性 / 50歳 )
施工が重要
ランニングコストは主に熱損失量によってかわってくると思います。
お書きいただいた仕様はどちらも4地域次世代省エネ基準を満足していますので断熱材の厚さだけをみると大差はないと思います。
熱は弱いところからにげていきますので施工精度でかなり変ってきます。『断熱材ですっぽり包み、隙間なく施工する』ことが大変重要です。
天井、壁の取り合い部分、玄関土間床部分の壁(基礎部分)、床下収納庫や点検口のふた、ユニットバス廻りなど注意が必要です、特にユニットバスの床は断熱されてない場合が多くさらに床下はメンテナンスのために点検口があるので外気が流入し熱が逃げていきます。
ロックウールは水分を含むと断熱性能が落ちるため室内側に防湿気密シートを施工する必要があります。
最近は防湿シートの袋入りものを使用し防湿気密シートを施工しない場合もありますが、お勧めはできません。
ロックウールは定尺ものだけで施工はできないので切ったり貼ったりして敷き詰めていきます。破いた袋をすべて補修したりしなければならないので施工不良の原因になります。
断熱材の厚さだけにとらわれず細部にわたり気を使って施工することが重要です。
通気層は基礎水切りから空気を流入させ軒裏や棟部の換気口により排出させることにより壁体内結
露を防止し温度を下げる効果があります。
一般的は約5℃違うといわれており夏季には有効な手段です。
耐震性についてもプランがおなじであればあまり変りはないと思います、2×4の場合在来工法よりもプランの制約が多い為、耐震性に優れているといわれていますが、阪神大震災以降の法改正で在来工法も規制が増えたので工法に依る違いはあまりないと思います。
制震装置についてはメーカーのカタログ値であり法律的根拠はまだありません。余力として設計されているので、そのように考えていただいたほうがよいと思います。