マンション配管からの水漏れ
住宅・不動産 住宅・不動産トラブル 2011/02/05 20:43専門家の方に質問です。
先日実家の分譲マンション(築15年)の床が濡れ、調べてもらった所、洗濯パンの下部分(壁の中)の配管がひび割れし、そこから漏れた水が床に上がってきていました。下の階の天井にも少し漏れていました。
修理は済みましたが請求はまだです。当初から管理会社からは、住居者が払う事になっているの一点張りで、保険や管理組合での話し合いがなされるのかも不明です。
支払いは全て所有者が負担しないといけないのでしょうか?また階下の方から天井の補修を請求された場合も支払い義務はありますか?年数が経っての劣化による水漏れで、100%負担しないといけないというのも納得いきません。管理費や積立金から少しでも賄って貰えるか話し合いくらいしてくれてもいいのではないでしょうか。 また水漏れした部屋の床下はカーペットもスポンジもコンクリートもびしょ濡れで、乾いたとしてもカビや臭いが発生するに違いなく、床下前面リフォームしなければ使用できないかもという状態です。たまたま実家の壁の配管がひび割れしただけで今後同じ様な事例は出てくるはずです。管理規約にもはっきりと記載が無い以上、はいはいと支払いたくはありませんし、床下の修理費も請求したいくらいです。
しゅしゅままさん ( 大阪府 / 女性 / 41歳 )
マンションにおける水漏れ事故と法的責任について
しゅしゅままさん、こんにちは。
弁護士の水嶋一途です。
マンションで水漏れ事故が発生し、階下の住戸等に被害が生じた場合に、誰が法的責任を負うのかについては原則として次のように考えらます。
基本的には、漏水箇所が共用部分の場合には管理組合、専有部分の場合には当該専有部分の所有者が責任を負うことになります(後述するように事故原因によっても左右されます)。
共用部分と専有部分の区別については、一般的には各マンションの管理規約に定められているはずですが、規約によってはその区別が明確でないケースも多々あります(なお、法律(建物の区分所有等に関する法律)上は、水漏れ箇所が共用部分か専有部分のいずれであるか判明しない場合には、共用部分の接地又は保存に原因があると推定されることになっています)。
このような水漏れ事故では、しゅしゅままさんのケースに限らず、水漏れ箇所が共用部分なのか専有部分なのかの区別が問題になることが大半です。
特に配管に関しては、縦管と枝管の配置や接続状況(例えば枝管の配置が専有部分の床下を通っているのか、階下の天井を通っているのか)は各マンションによって様々です。
したがって、まずは水漏れ箇所を具体的に特定することが必要です。
その上で、特定された水漏れ箇所について、マンションの配管の配置状況に照らして、共用部分なのか専有部分なのかの区別をすることになります。
次に、水漏れ箇所が特定できた場合には、その水漏れの原因が何であるかが問題になります。
例えば、水漏れの原因が配管の詰まりであった場合には、その詰まった原因が人為的原因(髪の毛や廃油などを流したり、清掃を全くしていなかったなど)であることが明らかである場合には、原則としてその原因を作った者が責任を負う必要があります。
しかし、経年劣化などのひび割れが原因である場合などは、原則として上記の水漏れ箇所が共用部分なのか専有部分なのかの区別により判断することになります。
しゅしゅままさんのケースでは、階下の被害状況からすると賠償額も少なくないと思われます。
管理会社の対応も今ひとつのようですので、一度このような問題に詳しい専門の弁護士にご相談されるとよろしいでしょう。
少しでもご参考になれば幸いです。
一途総合法律事務所 http://www.ichizulaw.com/