個人事業開業の際の名義について
法人・ビジネス 独立開業 2016/09/27 01:28約4年前に任意整理を終了したものです
今回、個人で独立をしようと思い公的なところに行き話を聞いてきましたが 自己判断ですが(ブラックリストに載っているのは確認済み)借りれないのではないかと思いました。現在は1社携帯会社のクレジットカードのみを利用しております。
申し込みの名前を親の名義にして実際の経営は私がすることは可能でしょうか。
可能であれば、その際の注意点や今後の対応策を教えてください。希望としては開業後に名義を私の名前に変更したいです。
申し込み金額は150万円です。
宜しくお願い致します。
あいささん ( 愛知県 / 女性 / 41歳 )
個人事業の名義変更について
あいささんはじめまして。
個人事業開業後の名義変更についてのご質問ですね。
個人事業については、法人と異なり、事業を開業した個人にのみ紐づくものですので、ある人が事業主として開業した個人事業の主体を誰かに変更するという法的な制度はありません。
そのため、もし、親の名義で個人事業の開業届を出した場合は、廃業の時までその事業は親の名義になります。もし、あいささんがその事業を引き継ぐ場合は、親の個人事業を廃業した後に、あいささんが新たに開業し、取引先等に事業を引き継ぐ旨を周知しながら実質的に営業を継続していく、という形になります。そのため、法的には一度、事業が途絶えます。
また、公的なものも含め、個人事業の借入はあくまで事業主個人についてまわりますので、精算せずに他人が引き継ぐということは困難です。
そのため、あいささんが考えているように自分以外の代表を立てて経営を開始するのであれば、法人(株式会社、合同会社等)を設立し、その代表を自分以外の人にし、後々、代表を変更する方法が考えられます。
法人であれば、代表が変わっても、借入等の名義は法人そのものですから、資産・負債・契約などを引き継いで経営を継続できます。
ただし、上記はあくまで形式上の話です。借入は、会社の代表者の信用を前提に行われます。会社で借入を行う際は、代表者が連帯保証人になるケースが多いですが、代表者が代わったからと言って、自動的に連帯保証人が新しい代表者になるわけではありません。新しい代表者の信用がなければ、旧代表者が連帯保証人のままでないと融資が継続されず、実質的な責任関係が変わらない状況になる可能性があります。
上記のようなことから、他人の名前で事業を開始して後々名義を変えるというのではなく、実際に経営をするあいささん自身で最初から責任を完結できるような融資が理想かと思います。
しかしながら、過去の任意整理の影響で現在、あいささん個人での借入には信用上の問題があるのであれば、融資に当たっては連帯保証人や担保を求められることがほとんどかと思います。ただ、例えば、公的なところに相談されているとのことで既にご存知かもしれませんが、公的なものでは日本政策金融公庫が実施している「新創業融資制度」のような条件さえ満たせば連帯保証人や担保が不要な融資制度もありますので、このような制度の活用も検討されてみてはいかがでしょうか。この制度の詳細は以下の URL を確認してください。
日本政策金融公庫 新創業融資制度
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
上記の新創業融資制度は、それ単体では融資を受けることができず、日本政策金融公庫が実施する他の融資制度を受けられる場合にのみ利用可能です。あいさんさんは、一度、任意整理をされていますので、例えば、以下の URL の「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」等の制度が利用できる可能性があるかと思います。
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/05_rechallenge_m.html
上記内容がご参考になれば幸いです。
あいささんのご成功をお祈りします。