堀江 健一
ホリエ ケンイチグループ
家族ノカタチ8 結婚願望の裏にあるのは権力闘争?
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SMAPの解散が電撃的に報道され、ショックを受けられたファンの方も多いようです。
このドラマ「家族ノカタチ」に主演していた香取慎吾さんは、ドラマのキャラ設定上、人との関わりを避け、冷めた感情で生きる青年を好演されていましたが、果たしてそれが演技によるものだったのか?私生活の葛藤を反映したものではなかっただろうか?と心配と言うか、より深い感慨を持ってしまいます。
前回は、周りに合わせようとする傾向が災いして、本来の自分とは違う事まで周りに合わせようとしてしまうと、自分を見失ってしまいかねません、と言う様な事を書いてみました。
それだけ不安も抱きやすいので、周りの世間(本当にごく一部の自分の周りの人を世の中全体の様に思ってしまう事もある)と自分を比べてしまい、
周りの人と違う所を見出すと劣等感を抱いてしまい、自己否定してしまったりします。
そして他に自分より違う所を持っている人に対して、その違いを劣っている事の様に見て
「下に見て見下そうとしてしまう」現象も起きます。
ある種のいじめや差別ですね。
しかし実際には「見下している」のではなく、
自分と違う価値観や能力を持つている人のことを
「脅威」に感じている事も多いのではないかと思うのです。無意識的にですが。
いじめる方も実は不安や恐怖感を抱いている場合が多いのではないでしょうか?
人の考え方や行動と違っていたりすると攻撃されてしまう。
村八分にされてしまうわけです。出来れば攻撃される方になるよりは、攻撃する方に回る方が安全と考えるのもわかります。
一般的な優劣と関係ある場合もあれば、関係ない場合もあるようです。
見た目が美しいと言う事は、一般的には「優れている事」と思われますが、「顔が美しくて目立つから」と言う理由でいじめられてしまったと言う経験がある方もおられるでしょう。
クラスに美人と思われる女性が5人いて、そうでない人が5人いて、どちらでもない人が10人いたら、なんとなくバランスが取れていて平和かも知れません。
あるいは美人の5人だけが特権階級の様に振る舞い出す可能性もあるかも知れません。
また、その5人の中で階級が生じることもあるかも知れません。
逆に不美人が15人いて、普通の人が4人いて、美人が1人だけだったら、美人の人は肩身が狭く、へたをするといじめられてしまうかも知れません。
あるいは、やはり美人の1人だけ特別な憧れの的になるかも知れません。
必ずしも劣っているからいじめられる、と言うわけではなく
「人との違い」
「多数派か、小数派か」
が明暗を分けるものかも知れず、それはその「場の原理」の働きによって
誰が権力を握り支配するのか変わって来るものです。
こうした「場の原理」は当然集団の中で起こりがちです。
数が多い方が多数派になるわけですから、それがその場での主流となるのですね。
誰もが主流でいた方が安全ですから、なるだけ多数派になりたい、周りと同じように溶け込んで平和に過ごしたいと考えるのも無理も無いことでしょう。
進学校の集団の中では、良い成績を取った方が主流派になれるでしょうし、不良集団では反社会的な行動を取った方が主流派になれるでしょう。
周囲の人達が次々と結婚するような状況になったら、独身を楽しんでいた人も自分も早く結婚しなくてはいけない様な気持になるのもこうした
「周囲と同化して、身の安全を確保しておきたい」ような気持ちの様に思います。
そうした場合、
より優位な好条件の人と結婚できた人が主流派であり、権力者となるのです。
勝ち組、負け組と言う概念も、そうした権力闘争を暗示した言葉なのですね。
自分がどうしたいか?という主体性よりも、周りに依存した心理や、権力闘争、自己顕示欲から発生することだったりするのです。
でもそこで、「周りが結婚するから、自分もしなければいけないと思い、結婚しようと努力を始めたけれど、どうも上手くいかない。どうしたら良いのだろう?」と悩みを抱かれる方が多くおられます。
結婚しなければいけないと思うから、結婚したい人も特定の誰か好きな人がいて、その人と結婚したい人もどちらも目的は「結婚する事」なわけですが、
当然その深い意味での結婚したい動機は違ってくることになります。
あまりそうした自分の本当の動機がわかっていなくて結婚に焦ってしまっている方も少なくありません。
前者の場合、合理的な考えで結婚したいと考えているため、どこか自分の気持ちが付いて行っておらず、そのため自分でも気付かない様な問題が発生していて、なかなか結婚に至らない事が多いように感じます。
恋愛や結婚は、相手がいて初めて成り立つ関係ですから、
自分だけが努力すれば願望を達成できるものではないですから。
また、運良く合理的に好条件の人と結婚できたとしても、基本が自分の利益のためだとすると、その利益が侵害された場合、すぐ離婚を考えてしまうことにもなるでしょう。
自分が世間的な権力者になりたくて結婚するのですから、
結婚生活においても自分が権力者でありたい
と思ってしまっていることも多いのです。
もちろんそれを自覚している方はほとんどおられないのですが。
でも夫を支配しておきたい、妻を支配しておきたいと思っている方はおられませんか?
他人の二人が一緒に生活を共にして行くのですから、メリットもデメリットもあります。
失うものもあります。
最初からメリットだけを考えて、結婚後もそのメリットだけを望んでいたら、とても結婚生活は成り立たなくなる事でしょう。
デメリットも踏まえて、それでも結婚したいと思うには、やはり相手への思いやりや愛が必要となって来るのではないでしょうか?
自分の何らかの利益のため(家族を安心させるため・生活費を確保する為)に合理的に結婚したいと考える男女2人がお見合いをして、
理性的に結婚の条件を追及しているうちに、次第に相手に好意も感じ始めて、この人と一緒に歩いて行きたいと思えるようになる過程を描いたのが
「デート 恋とはどんなものかしら」
と言うドラマでした。
自分の何らかの利益のため(自分の自由を確保する為・自分が傷付かないため)に結婚などする気の無かった2人が、
この人とならさほど失うものも少ないだろうから一緒に歩いて行きたいと思えるようになる過程を描いたのが
「家族ノカタチ」
と言うドラマだったのではないかと思います。
ある意味、対になるテーマで恋愛や結婚を描いたドラマだったのではないかと思います。
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