堀江 健一
ホリエ ケンイチグループ
殺人を無罪にする方法3 失恋体験・高校編後編「失恋中毒」
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海外ドラマ
殺人を無罪にする方法
を題材に私の失恋体験をつづっています。
前回は、きちんと付き合ったと言える初めての高校時代の失恋体験を書きましたが、その後編です。
彼女への気持ちには整理がついたのですが、どうしても
「彼女を取られてしまった感」
はぬぐえません。
幸い先輩への恨みや怒りはさほど感じませんでした。
今思うと、恨みや怒りを素直に感じられたほう方が、気持ちの整理がもっと単純に済んだのかも知れません。
その時は「自分は先輩と比べて、劣っていたのだろうか?だとしたらどこが?」
と言う劣等感ばかりにさいなまされました。
しかもまだ思春期で、偏ったプライドみたいなものもありますから、「劣っていた部分」も本当に自分で認める覚悟は出来ていなかったのです。
するとどういう心境になったかというと、
「自分にも良いところはあったはず。じゃあどんなところが良かったんだろう?僕のどこが好きでつきあったんだろうか?」
と、何とか自分の価値を保ちたいと言う気持ちが強かったと思います。
これはこれで健康的な考え方かなと自分でも思いますが、本当にどこが良かったのかを元カノジョに尋ねてしまったのです。これが失敗でした。
元カノを呼び出し「一つだけ聞きたいことがあるんだけど、良いかな?」
「なんで僕と付き合ってくれたのかな?僕のこと好きでいてくれたのかな?」
と聞きました。
カノジョは少し考えてからこう言いました。
「嫌いじゃなかったから・・・」
嫌いじゃなかったから?
えっそれって好きでもなかったってこと?
衝撃でした!
当時の私は、恋愛ってものはお互い好きになったからそうなるものだと思っていたのですが、必ずしもそうではないのですね!
大人になってからは、ちょっと気になる程度の気持ちで付き合ってから、
本当に好きになることもあれば、
やっぱり好きと言う気持ちになれず別れることもある
と理解はできるし、
むしろ最初から「好き好き!」みたいになることの方が珍しいとも思えます。
そうした「一目ぼれ」みたいな話は、また後に回すとして、話を続けます。
せめて「最初は好きだった。好きと思えるところがあったよ」
と肯定的な返事を期待していた私は
「じゃぁ僕には好きと思えるところが無かったんだね」
と少し自虐的に考え込むはめになってしまいました。
それをカノジョには別に言いませんでしたが。
好きと思えるところが無かった→誰からも好かれない→自分は孤独
自己憐憫一直線です!
明らかに悪く考えすぎです。
でも、そうやってまたうちひしがれていると、周りも親切と言うか、同情もしてくれて、なんだか自分は「悲劇のヒーロー」みたいに感じてきてしまうのですよね。
こうなってくるとヤバイです。
気持ち良いんですよ、この「悲劇のヒーロー」感が!
この気持ちよさにハマってしまうと、幸せになりたくなくなってしまいます。
実はこうした時、頭の中では脳内麻薬物質「エンドルフィン」が出ていると言います。
失恋の痛手は大きなストレスです。
失恋に限らず、大きなストレスを感じたときには人は(動物も)それを耐え抜くために、ストレスを軽減するために脳内に中和剤としてこのエンドルフィンが分泌します。
しかしこのエンドルフィンに麻薬のようにはまってしまうと、ストレスが快感みたいになってしまうことがあるのですね。
「自分は被害者」
「自分はいらない」
「自分は可愛そう」
と、自分を卑下する考え方に浸ってしまうと、それはある種のナルシスト状態と言えます。
この気持ちよさに浸りたくて、わざと失恋を重ねるような状態の人もいるのです。
失恋中毒と言ってもいいかも知れません。
わざわざ自分がフラれるような人を好きになって(この場合、本当に「好き!」と言う感情があるのかどうかも疑問なのですが)、
案の定フラれて、泣きながら人に慰めてもらって、
もっともっとエンドルフィンを求めてしまったり。
ヘタに?上手く付き合えたりしても、上手く行くことに不安を覚えて、あえてそれをしたら嫌われるだろうと思うようなことばかりやり始めてしまったり。
この場合エンドルフィンの作用もあるのでしょうが、心理学的にはアダルト・チルドレンと呼ばれる自己肯定感の育ちにくい家庭環境で育った人に特有の心性が背景にあったりします。
みなさんも耳にしたことくらいはあるのではないでしょうか?
アダルト・チルドレンと言う言葉。
「好きだよ!」と言うような他者からの肯定的なメッセージをもらえる機会が少なく、
「お前なんか嫌いだ!」
「お前はダメな奴だ」
と否定的なメッセージばかりが多いと、否定的なことが当たり前になってしまい、思考の仕方や行動が否定的に受け取られるような相手の言動を、跳ね返す力が弱くなってしまいます。
人によっては、その否定的な行為から快感を得る習慣が付いてしまいます。
あまりにそれが振り切るとマゾヒスティックな性格となり、実際SMプレイなどで快感を得る人もおられるかも知れません。
あるいは
自分を幸せにはしてくれないような相手にばかり好きになってしまったり。
ダメンズウォーカーと言う言葉が日常語として定着しています。
「ダメな男性」とばかり恋愛を繰り返し、貢いでは捨てられたり、世話を焼きすぎて男性の自立心を削いで、わざわざ本当にダメな男に育ててしまったりするのは、こうしたアダルト・チルドレン的な要素が本人の背景にある場合も多いように思います。
しかし実際には本人はもちろん「快感」を感じている意識など無くて、多くの方は様々な局面で「生きにくさ」を抱え、幸せになれず苦しんでいます。
これまでもコラムではそれとなく触れてきましたが、今後もアダルト・チルドレンに関しては深く掘り下げて考えてみたいと思います。
このように「好き!」という感情には、非常に様々な無意識的な感情が重なって働いていることもあり、無意識と言うくらいですから「なぜ好きなのか?」と問われても、答えられないことの方が多いかと思います。
「本当に好きなのか?」さえわからないかも知れません。理屈ではないですから。
「私のどこが好き?」なんて女性はよく男性に尋ねて、
男性も
「目が大きいところ」
「優しいところ」
「笑顔が素敵なところ」
「おしゃれなところ」
とか、色々答えたりするかと思いますが、それらは理屈で後付けで考えられたものであって、
そこが好きと思い込んでいるか、
もしくは言葉では答えられない、わからないから、とりあえずそう言っておこうみたいな理由付けなのではないかと思うのですが、どうでしょう?
こうして、
「自分は、女子に好きになってはもらえないのではないか?」
と言う、こじれた気持ちを抱えながら舞台は大学に移ります。
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