堀江 健一
ホリエ ケンイチグループ
自分に「ダメだ!」と反省ばかりしていると、本当にダメになる!
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若いころ、友人たちと箱根へ旅行に行った事がありました。みんなでロープウェイに乗ったのですが、一人、高所恐怖症の人がいたのですね。
そこで私が言ったのは「怖がってちゃだめだよ。現実を克服しなきゃ」みたいな言葉でした。
もちろん私としては、その方にとって良かれと思って励ましで言った事でしたが、今考えると、その言葉は
「ダメ出し」
に受け取られてもしかたない言い方だし、私の勝手な価値観を押し付けた言葉だったなぁと強く反省し、偉そうな事を言った自分が「穴があったら入りたい」くらい恥ずかしい経験として記憶されています。
何しろ私自身が高所恐怖症だったにもかかわらず、そんな励ましをしたのです。自分でも「怖がってちゃだめだ」と思っていて、そんな自分に向けての言葉だったのでしょう。
つまり私自身、「怖がっている自分」を自分で自己受容できていなかったのだと思います。
「わかってはいるけど、そうできない」自分がいるわけで、それを他人にズバッと言われるのは辛い場合がありますよね。友人は黙ってうなずいてくれましたが、、、。
ロープウェイでその友人が、どんなに怖いと思っているのか?その怖さを理解することが、「共感する」と言うことで、一番大事なことだったのですね。何しろ、その怖さを自分も充分知っている時にはなおさらでしょう。
「自分を棚に上げた物言い」は相手の為にはなりません。
この様に、人を励ます時に、「もっと前向きに考えなきゃだめだ」「そんな事じゃダメだ!」と言った叱咤激励をすることには、充分に自分を省みてからしないと、いたずらに相手の反感を買ってしまったり、信頼関係を損ねてしまう危険があります。
叱咤激励がいけないわけではありません。相手と自分の間に深い信頼関係があって、心から相手の事を思って言う時には、大変効果がある時があると思います。ただ相手の心情にかまわず、体育会系のノリで「励ます」のは、される方も上から目線で言われる様で聞く耳を持ってもらえません。
例え親子の関係であっても同じようです。いや、親子ほど親密である方が難しいと言えるでしょう。
「そんな事じゃダメだ!」の様な言葉には
「今のあなたでは存在価値がありません」
と言う否定的なメッセージが含まれてしまうことがあります。
普段から、褒める所は褒めているのならば問題ないと思いますが、褒める事をせずにダメ出しばかりしていると、
子供は深く傷つき、大人になってからも、
「今の自分ではいけないんだ」
と自己受容できず、いつも自信が持てない様な事になりかねません。
心の傷は、自分で思う以上に深いものかも知れません。
そうして今現在、「がんばらなくちゃ!」「もっとがんばらなくちゃ!」と自分に叱咤激励を繰り返している方の場合、簡単ではないのですが、
なるべく意識して自分を肯定してあげられるような考え方を、繰り返し自分に投げかけてあげる
必要があるでしょう。
でないと、本当にいつか、燃え尽きて、灰になってしまいかねません。
また、そうした親からの否定的なメッセージについては、また今後詳しくお話ししてみます。
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