こんにちは。

先日、美容室に行ってきました。

今回は、いつも行く美容室ではなくて、

スタジオの近くの美容室を選びました。

担当して下さった美容師さん。

今年で32歳。

「見習い期間はどのくらいあったのですか？」と尋ねると、

「僕は長い方で、8年でした」

「うちのお店は早くてもデビューまで3〜4年はかかりますね」

という回答でした。

専門学校で、

美容師という国家資格を取得したにも関わらず、

そこから数年間は、美容師になるための

見習い期間があるわけです。

もちろん、

その間は、お客様の髪を切ること出来ず、

アシスタントしての業務をこなされることになります。

「最近は、昔に比べて、一人前になっていなくても

現場デビューするようになってきました」

昔は、お客様の髪をカットするときには、

一人前と呼ぶにふさわしい、技術を身につけた状態で

デビューするのが一般的でしたが、

今は、まだ未熟でも、

現場を通して、成長していくようにという

風潮があるようです。

もちろん、美容室によっても、

研修システムや、カリキュラム

考え方の違いはあるので、

一概には言えませんが。

このお話を聞いたときに、

改めて、自分たちの業界に対して

怖さというか、不安な気持ちがこみ上げました。

この先、どうなるのだろうと…

まず、国家資格がありません。

この美容師さんも、おっしゃっていましたが、

「専門学校のカリキュラムは、国家資格（スポーツ系でいえば民間資格）を

取るための授業がほとんどで、現場に必要な知識や技術は、

社会に出てから身につけるものです」

国家資格を取れたからといって、

美容師さんに向かない人も、

美容師さんにならない人もいると思います。

ですが、

国家資格を取るための

最低限の共通科目は、学ばれています。

フィットネス業界はどうでしょう。

民間資格が多く、

皆、学んでいることも様々。

一般の方が、今から「私、運動指導者です」と名乗れる職業。

○○インストラクター、○◯トレーナーなどの民間資格も

数時間で取れるものから、数十時間かかるもの、

試験があるものないもの、

本当に様々です。

なれるハードルが低いから、

準備不足のまま、世の中に出てしまうこともあります。

専門家して頼られないから、

お仕事がなくて、食べていけないケースもあるでしょう。

運動（ジャンル問わず、体を動かすものはすべて運動）を教えていても、

トレーニングの原理原則も、

筋収縮（等尺性や等張性）も、

機能解剖学も、知らない・わからない

聞いたことがない人も多いのが現状です。

私は、32時間の養成コースを開催させて頂いておりますが、

時間の許す限り、上記に挙げたようなお話もさせて頂いています。

養成コースカリキュラムとしての優先順位があるので、

比重は多くありませんが。

そして、ピラティス養成コースを卒業し認定を貰えたから、

人に教えて良いですよ（大丈夫ですよ）というスタンスではなくて、

これで、ピラティスインストラクターへのスタート地点に立ちましたので、

ここから、さらに研鑽を重ねていきましょう！というスタンスです。

じゃあ、もっと養成コースを長くして、

認定を貰えたら、人に自信をもって教えられれるレベルまで

養成したらどうですか？と思われる方も

いらっしゃるかもしれませんが…

どんなことにも

メリット、デメリットがあるように

BESJはBESJの考え方のもと、

32時間で現在の受講料とカリキュラムにしています。

より運動のこと、姿勢のこと、機能解剖学を学びたい方向けに

ご用意しているのが、HOPEパーソナルトレーナー育成コースです。

試験を含めて、50時間のカリキュラムです。

私個人の勝手な想いですが、

いつの日か、このHOPE育成コースの中でお伝えしていることが、

運動指導者と名乗る人たちの、または運動を教えることがある

医療従事者の方の、共通認識になって欲しいなと思っています。

果たして、一人前のトレーナー＆インストラクターと名乗れるためには、

どのくらいの時間、どのくらいの年月をかけて

専門知識を習得し、指導練習を積み重ねなければならないのでしょう？

俗に言う、1万時間でしょうか？

1日8時間×22日×12ヶ月でも2,112時間ですから、

最低5年はかかるという計算になります。

じゃあ、すべての養成コースが

そうならなければいけないのか？

そんなことを訴えたいわけではありません。

養成コース担当する講師側が、

何をどのように伝えるべきなのかが、

大切だと思うのです。

専門学校の先生もそう。

スポーツクラブで研修を担当される方もそう。

トレーナーやインストラクターを目指す人たちに

接する人間が、どのような立ち振る舞いで、

どのような意識で、養成や育成をするのか。

その養成コースがどのような目的で、

その養成コースを受講することで、

どのくらの情報量が得られるのか？

この業界に限らず、

入社して、1年足らずで

新人さんの研修を担当する会社だってありますよね。

例えですが、

自分の研修担当が、レベル5で

一人前と呼べるレベルが20だとしても

もし、その施設や会社内に、

レベル20の先輩がいなければ、

研修を受けた新人さんは、

レベル5で良いのだと思ってしまいますよね。

多種多様な運動指導者が増えるのは良いことです。

そして、運動指導者になれるハードルは低くても良い。

トレーナー＆インストラクターという職業が、

もっと身近な職業になって欲しいから。

そのくらい素晴らしい職業だし、

これからの時代に必要とされる職業だと思っています。

大切なのは、入口に立った後。

教える以上は、学び続けましょう。

お客様を飽きさせないために、

新しいメソッドやプログラムなどの幅を

増やす学びは大事かもしれません。

でも、何よりお客様と自分の体を守るために、

機能解剖学やスポーツ医科学などの原理原則のような、

深みを増やすような勉強をしましょう。

運良く自分が未熟なことに気付けたり、

研修してくれる会社や先輩に出会えれば良いですが、

フリーランスの場合、

自分から探しにいかないと、

そういう環境に身を置くことはありません。

勉強しなくたって、

なんとなくやれちゃう。

出来た気になれちゃう。

そんな気持ちになりやすい職業だと思っています。

だから、

常に自分が伝える情報にはプライドを持ち、

疑いを持つ自分もいます。

それで良いと思うのです。

この業界に入って12年になりますが…

おかげさまで、本当に沢山のプロと思える人達に

出会うことが出来ました。

そして、人を養成（育成）する仕事に、

関わらせて頂く機会も増えました。

長々と、書き綴ってしまいました。

最後までお読み頂いた方、本当にありがとうございます。

今回の美容室だけがきっかけではありませんが、

いまとこれからを本当に考えさせれる出来事でした。

運動によって体を痛める人が減り、

運動によって体と心が良くなる人が増えますように。

自分が出来ることを、

一歩ずつ積み重ねていきたいと思います。

■プロの運動指導者としての基本を身につける！

　田中宏明が講師を務める2つの指導者養成コース

・BESJマットピラティス指導者養成コース（合計32時間）

・HOPEパーソナルトレーナー育成コース（合計50時間）

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