山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「はやぶさ:に見るプロジェクトリーダーの役割とプロジェクト運営」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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はやぶさ:に見るプロジェクトリーダーの役割とプロジェクト運営

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研修講師としての活動 OJTによるビジネススキルアップ 2010-06-11 12:30

皆様、

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

テレビや新聞報道でご存知のように、小惑星探査機「はやぶさ」がもうじき地球に帰還します。
満身創痍の「はやぶさ」が地球に戻ってこられるまでの話は、何回かNHKなどで放送され、新聞記事でも掲載されましたので、宇宙事業を良く知らない方々の間でも関心が高く、感動を生んでいます。

「はやぶさ」の開発、製作、打ち上げ、帰還までの一連のプロセスをプロジェクトとしてとらえますと、今回の「はやぶさ」は、色々な事を我々に教えてくれていると考えています。

我々がプロジェクト運営を行う上で多くの示唆を与えてくれます。

幾つかの報道内容やWeb上で開示された情報から読みとりました。


1.プロジェクトの目的明確化

「はやぶさ」はテーマがはっきりしていましたから。何をすべきかがはっきりと見えていました。

この目的がはっきりしていたから、そこに向けて、JAXA(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)のもとに計画に参加したメーカー各社(NEC、東芝スペースシステムが中心となり、NEC航空宇宙システム、古河電池、住友重機他多数のメーカーが本体の製造とシステム運用に関わっている。)一致協力して高いハードルをクリアしていくことができました。

通常、JAXAと複数の企業関係者が構成するような混成プロジェクトは、上手くいかないケースがあります。
それは、プロジェクトの目的や成果が明確化され、共有されていない為である事に起因します。

「はやぶさ」の場合、プロジェクトのテーマ、即ち目的がはっきりしていた事が大きかったと考えます。


2.開発段階での知恵

テーマがはっきりしていたため、各メーカーは担当部分の開発に知恵やわざを取り入れて、想定できる事態への対応策を多く開発・実装した。

この事が、「はやぶさ」が色々な問題に直面した時の解決に役立ったようです。


3.プロジェクトリーダーの役割

JAXAのプロジェクトリーダーについて、以下のように語られていました。

◆しっかりとした目標をもって動いているので、どんな問題にに直面してもぶれない、感情的にならない。不動の姿勢でいる。
◆プロジェクトメンバーを信頼している。

同時に、各メーカーのリーダーも同じようにリーダーシップを働かしていたと考えています。

メンバーは、リーダーを見ながら仕事をしています。そのリーダーがあきらめずに、不動の姿勢で働いていますと、メンバーも安心して自分の役割に専念できます。


4.プロジェクト運営

・官と民の構成チームだったので、情報は開示・共有化し、チーム全員が同じ状況を把握できるようにした。
⇒この情報共有化は、プロジェクトチーム運営上とても大事です。

これがないと、知ってる、知ってない、と言う低次元での格差が出てチーム全員で協力する事が出来ません。

・想定外の出来事にぶつかった時に、人が介在して、要所要所で判断しながら運用を進めるというやり方で運営した。

その結果、あまりにも想定外のことが多く起こったので、これが自分の仕事の範囲だなんて言っておられなくなった状況になり、、チームが皆で「はやぶさ」の全てを面倒見るという雰囲気が作られた。

『本当にあの時は宇宙航空研究開発機構(JAXA)、NECの運用チームみなで協力して日々新たな運用方式を編み出していきました。機械にはできない、人間の力のようなものを実感しましたね。』と述べられている。

・どんな事態になっても決してあきらめない風土、雰囲気を醸成できた。何とかなると言う“楽天的”な雰囲気が作られた。
⇒この何とかなると言う“楽天的”雰囲気作りは大事ですね。プロジェクトリーダーの資質によるところが大きいと思います。(少なくとも私の経験では。。。)

・プロジェクトに参加した人たちが、「はやぶさ」の困難な運用体験に基づき、運用チームがどんどん進化していった。結果として、問題が起きるたびに人が育っていったとのこと。
⇒チームメンバーがポジティブであったため、困難さがノウハウの確立、蓄積につながった。


よろしくお願いいたします。
以上、

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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