山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「日経記事;『AI、データ不足6割 主要100社に聞く 本社・日経BP調査 「動かない頭脳」続出の恐れ』について」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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日経記事;『AI、データ不足6割 主要100社に聞く 本社・日経BP調査 「動かない頭脳」続出の恐れ』について

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経営戦略 インターネット・IT 2018-09-30 11:11

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月30日付の日経新聞に、『AI、データ不足6割 主要100社に聞く 本社・日経BP調査 「動かない頭脳」続出の恐れ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の抜粋(冒頭部分)は、以下の通りです。

『日本の主要企業の6割が人工知能運用に欠かせないデータ活用で課題を抱えていることが分かった。製品やサービスの開発、事業開拓などAIの用途は新たな分野に広がりつつある。だが必要なデータが不足していたり、データ形式が不ぞろいで使えなかったりと、AIの導入に戸惑う事例も多い。欧米を中心に企業のAI活用が急拡大するなか、「動かないAI」が増え続ければ世界競争に出遅れかねない。。。』

この記事の趣旨は、機械学習に基づく人工知能(AI)は、データが無ければ学習しないので、多くの国内企業がそのデータの重要性に気が付き始めたが、データ自体を有効に活用する前の状態になっていることについて書いているようです。

機械学習に基づく人工知能(AI)の活用は、データがなければ何も前に進みませんので、何をいまさらわかりきっていることについて書いているのかとの印象をもちます。

今まで、人工知能(AI)は、何回かのブームがありました。その後に、AIを現実世界に活用するための条件やコンピューターの計算能力の未発達などの理由で、AIという言葉だけで終わってきました。

現在の機械学習によるAIは、足が地についた形で社会や事業分野に広がっています。

それは、機械学習のアルゴリズム開発が、グーグルなどの米大手ITベンダーによって、大きな進展を示していることと、そのアルゴリズムを動かすCPUなどの環境が劇的に進化していることによります。

グーグルの場合で言いますと、このIT企業は2014年に4億ドルでロンドンの人工知能スタートアップ、DeepMind社(ディープマインド)を買収しました。

このAIベンチャーは、世界最高の棋士のひとりであるイ・セドル氏に、彼らが開発した囲碁AIソフトウェア「AlphaGo」で打ち勝ちました。

AlphaGoは、機械学習方式のAIソフトウエアです。

グーグルは、その後も多くのAIベンチャーを買収し続けており、多くの技術。ノウハウ蓄積を行っています。

グーグルの強みは、巨大なデータ獲得を毎日自動的に行えることです。特に、グーグルは、ディープマインドのAIノウハウを、自社の検索エンジンや翻訳エンジンなどに搭載以降、これらのエンジン性能が大幅に向上しました。

その結果、より多くの企業や個人が、グーグルの検索エンジンや翻訳エンジンなどを日常的に使うようになっています。

当然のごとく、グーグルは、毎日多くのデータ蓄積を行っており、その競争力は毎日強化されています。

EUが個人情報保護の新ルール「一般データ保護規則(GDPR)」を施行した理由の一つに、グーグルなどの一部の米大手ITベンダーに、巨大な個人情報(データ)を独占的に扱われることへのリスク低減にあります。

グーグルは、自動運転機能付EVの開発・実用化を積極的に行っています。そのため、グーグルは、長期間アメリカ国内で、自動運転車の試作版を、公道で毎日走らせて多くの実証データを集めており、このデータをAIに学習させています。

AIに読み込ませるためのデータは、既存のものを活用するやり方と、グーグルのように新規に獲得するやり方があります。

しかし、多くの場合、本日の抜粋記事にありますように、既存データはそのままでは、AIの学習に使えません。

これは、当然のことです。既存データの収集や蓄積が、AIの学習に使う前提で行われていないことによります。

特に、日本のように、アナログ的なやり方で、紙中心のビジネスを行っている組織や企業が多いところでは、データ蓄積のやり方について、標準化・規格化されていませんので、幾ら多くのデータがあってもそのままでは使えない状況になっています。

自動運転車の視点から言いますと、恐らくトヨタ自動車はグーグルの脅威に気が付いており、相当な危機感をもって、当該自動運転車の開発・実用化を進めていると考えています。

自動運転車の性能は、AIの能力に大きく左右されることによります。

国内企業の中には、AIベンチャーのPNF(株式会社Preferred Networks)のように、グーグルに対抗すべく、自前のAIアルゴリズムやソフトウェアを稼働するために、自前のプライベート・スーパーコンピュータを活用する企業も出てきました。

国内企業が、機械学習をベースにしたAIを活用するには、AIに多くのデータを与えて学習させる必要があります。

まず、その必要性を理解・認識して、既存データを標準化・共通化したフォーマットで再整理することから始める必要があります。

今は、紙に印刷されたデータやグラフを読み取って、Excelなどの表ツールに数字化してくれるサービスも利用できますので、このようなやり方を採用しつつ、効率的にデータベースを構築することが重要です。

ベンチャーや中小を含む国内企業は、AI、IoTを含むインターネットやITが急速に既存事業基盤を破壊して、新規に再構築していきますので、その動きを見つつ、自社の事業の見直しと再設定を迅速に行っていく必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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