山本 雅暁(経営コンサルタント)- コラム「日経記事;『KADOKAWA、書店と直接取引3倍に 「取次」介さず翌日配送も』に関する考察」 - 専門家プロファイル

山本 雅暁
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

山本 雅暁

ヤマモト マサアキ
( 神奈川県 / 経営コンサルタント )
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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日経記事;『KADOKAWA、書店と直接取引3倍に 「取次」介さず翌日配送も』に関する考察

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経営コンサルタントの活動 海外展開支援 2018-07-22 11:39

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

7月22日付の日経新聞に、『KADOKAWA、書店と直接取引3倍に 「取次」介さず翌日配送も 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の一部抜粋は、以下の通りです。

『KADOKAWA、書店と直接取引3倍に 「取次」介さず翌日配送も
KADOKAWAは書籍を直接取引する書店数を1000店舗から3300店舗に増やす。届けるのは出版取次会社を経由するのが一般的だが、注文から1~2週間かかる場合があった。注文から早ければ翌日に届けたり印刷会社を介さずに自社印刷する書籍を増やしたりして、アマゾンなどのネット書店に対抗する。。。』

皆様は、「Amazon Effect」という言葉をご存知でしょうか。「Amazon Effect」とは、米Amazon.comの事業展開(インターネット通販事業)がすべての産業を取り込んで、既存事業基盤を急速に破壊して、Amazon流の新規事業基盤を再構築することです。

なぜ、Amazonはそのようなことができるのか。それは、Amazonのやり方が、BtoCおよびBtoBの両方のビジネスの顧客から、圧倒的に支持されているからです。

Amazon.comのインターネット通販サイトには、非常に数多くの商品が並べられ、リアル店舗より、比較的に安価で購入できることと、一般的に注文後早期に購入商品が配送されることによります。高い利便性が、顧客から支持されています。

Amazonは、本のインターネット通販事業から出発しました。Amazonの事業が多いく伸びた結果、アメリカでは数多くのリアル店舗である書店が倒産しました。

リアル店舗事業者は、Amazonに対抗するため、多くの対応策を打ち出してきました。本日の記事にありますKADOKAWAのやり方もその一つになります。

記事によると、KADOKAWAは書店に書籍を配送する時間を短縮するため、出版取次会社を通さずに、直接書店に配送する仕組みにします。

書店で販売した書籍の代金回収は、従来通り出版取次会社が行うようです。

KADOKAWAは、このやり方でアマゾンジャパンの書籍配送スピードに対抗する狙いです。

私は、このやり方がアマゾンジャパンによる書籍販売への有力な対応策になるかどうか、しょうしょう疑問をもっています。

なぜなら、Amazon Effectは、既存事業基盤を急速に破壊する凄みをもっていることによります。

何度かアメリカ出張した際に、米Amazonが行ったビジネスの影響確認を行いました。その結果は、当時驚くべきものでした。

私は、Amazonが爆発的に展開しているインターネット通販事業が、既存事業基盤を急速に破壊することを実感しました。

国内の中小企業が、米欧市場の販路開拓を行う場合、自社内に海外営業や海外への出荷などの機能をもっていない企業は、販売会社を活用するのが一般的なやり方になります。

この海外販売会社がもっていたリアル店舗の販売ネットワーク(販売チャネル)が、Amazonによって徹底的に破壊されました。

その結果、多くの販売会社が廃業や倒産など大きな影響を受けたことを、実感しました。

まさに、Amazon Effectの凄みを体感しました。

アメリカ市場で、以前から電気・電子部品の販売で大きな事業を行っている販売会社の一つとして、Digi-Key Electronicsがあります。

Digi-Keyは、1972年に設立されました。その後、他の販売会社に先行して、1996年にインターネット通販を開始しました。この会社の先進性は、販売機能だけでなく、自社商品在庫へのアクセスを提供するWebサイトを構築・開示したことです。

私は、会社勤務時に、アメリカで電子部品の調達を行うときに、リアル店舗事業者としてのDigi-Keyを活用しました。

現在、Digi-Keyは、ミネソタ州シーフリバーフォールズにある集中管理した物流センターをもっており、米国全土への短期配送を実現しています。

Digi-Keyは、数少ないAmazonに対抗できるBtoBタイプの販売会社になります。日本では、BtoCタイプの家電量販店になりますが、ヨドバシカメラのヨドバシドットコムが、該当すると考えます。

Digi-Keyやヨドバシドットコムが、Amazonやアマゾンジャパンに対抗できるのは、徹底したインターネット通販事業のやり方にあります。

中途半端なリアル店舗事業やインターネット通販事業のやり方では、Amazonやアマゾンジャパンに対抗できません。

現在、米欧市場で事業展開している販売会社は、多くの場合、Amazon Effectを受けつつ、徹底的な差別化・差異化するやり方で、販売力を強化しています。

私は、自分の支援先企業が、海外販売会社を活用するとき、実力のある会社を探し出すことを最重要視して対応します。

また、各種検討した結果、BtoCおよびBtoBの両方のビジネスで、販売会社を活用しないで、Amazon.comを活用するやり方になることも、最近、増えています。

いずれにせよ、国内中小企業が、海外販路開拓・集客を行う際の選択肢が増えており、輸出するときのハードルが下がっていると言えます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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