性格・気質、脳・神経、遺伝子(1)
-
2007-08-08 21:25
前回はうつ病と病前性格の関連をご説明しました。うつ病と一言で言っても、最近は細分化され、それぞれに呼応した病前性格が想定されています。うつ病の治療・回復には、疾病自体もさることながら、この性格因子も念頭においた対処が必要とされます。特に慢性・難治性・治療抵抗性と言われるうつ病には性格因子の影響が少なくありません。
そこで今回は性格因子についてご説明を加えてまいりたいと思います。前回はうつ病の病前性格として、強迫性、回避性、演技性、自己愛性といったカテゴリーをご紹介しました。これはDSM-4をはじめとした操作的診断基準によるものです。前回はご紹介しなかったクラスターAも含め、再度、列挙いたしましょう。
クラスターA:自閉的・妄想的、奇妙な言動をしやすい性格
妄想性・統合失調症質・統合失調型パーソナリティ障害
クラスターB:感情的で他者を巻き込みやすい性格
反社会性・境界性・演技性・自己愛性パーソナリティ障害
クラスターC:不安や恐怖を抱きやすい性格
回避性・強迫性・依存性パーソナリティ障害
これを一般行動における積極・消極、対人行動における接近・分離の観点から図式化すると上記のようになります(但しDSM-4に基づきます)(図をクリックすると拡大します)。
銀座泰明クリニック