美しさと自分らしさ〜親子関係(1)
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2007-01-09 00:00
前回は美しさや自分らしさを求める余り、摂食障害に至ってしまう若い女性のお話をしました。背景には不安定な対人関係や自己評価が潜んでいるともご説明しました。すなわち遺伝的な素因もさることながら、両親、特に母親との関係が大事で、幼少期から一定の無条件な愛情を受けられないと、どこかで「心もとなさ」や「頼りなさ」を覚えてしまうのです。その結果、思春期になり「自分」を意識するようになると、その反動から容姿や成績などの外的な基準や評価を過度に求めてしまいます。
摂食障害の女性に限らず、思春期・青年期の情緒不安定な方々から幼少期の記憶をうかがっていると、不安定だった家庭環境が語られます。おおむね父親は仕事や別居のため家庭に不在だったことが多く、母親が養育に専従しています。時には母親も仕事を持っており、保育園や祖父母の元へ預けられています。母親のいない家庭に育った子供は幼少期から既に情緒不安定で、直ぐに泣いたり怒ったりしてしまう傾向があるようです。従って、子供にとっては物心つくまで母親のそばにいることが重要で、まずは母親の無条件な愛情を通じ、安心や信頼といった感情が育まれるのです。(続く)