荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「日銀の“含み損”10兆円に!」
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こんにちは!
さて、前回長期金利上昇による民間金融機関が抱える
“含み損”について取り上げましたが、
今回は、日銀のお話です。
国債を大量に購入し続けている
日銀の日本国債での“含み損”が、
年内にも10兆円を超す見通しとなりました。
現在、日銀は年80兆円程度の国債を買っていますが、
構図としては、
国が発行する国債を金融機関がマイナス利回りで購入し、
それをさらに低い利回りで日銀が買い取る取引が行われています。
これによって、国は利払いが減り、
金融機関も利ザヤを受け取るわけですが、
その分日銀の損失は膨らむこととなります。
2013年4月末に約1兆4000億円だった損失額は、
今年10月末時点で約9兆3200億円にまで拡大しました。
3年半で、なんと6.7倍です。
この後も、金融緩和は当面続けられるため、
“含み損”は膨らみ続けることとなります。
日銀の財務内容が悪化すれば、
国への納付金が減るだけではなく、
最終的には「円」への信認低下へと繋がります。
日本の財政問題は、いよいよ、
このまま放置しておけない状況にまでなってきました。
とはいえ、政府の打てる“秘策”は、
限られています。
「将来のシナリオ」をしっかり考えて、
“備え”ておくしかありませんね。
それでは、今週も穏やかに、世界が平和でありますように!
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